奄美猫部が「第1回大熊町外ネコ調査報告会」なるものをしますよという告知をしていたので、前々から母に息子をこの時間頼むぞとお願いして行ってまいりました。
私は大熊町民じゃないので参加していいものか悩みましたが、町外の方も自由参加OKとのことだったので……!
お言葉に甘え♪
感想を端的に言うと、「住民参加型の外猫調査は住民の意識改革になって大変いいな」と思いました。
猫への意識を変えるために有効なのではと感じましたよ。
第1回大熊町外ネコ調査報告会
19時から始まると思い15分前頃到着、公民館前に貼ってあったスケジュールを見てみると、19時から開場とあり、19時になるまで入り口で待つことにしました。
(のちのち特に待たなくても中に入っていてよかったことを知る)
20:35のネコレンジャー寸劇がとても気になりつつ、19時になったので入場しました。
公民館内には椅子があり、そこにパンフレットやらが置いてありました。
ネットではノネコについて毎日毎日いろんな話が行われていますが、島民の中でもノネコという存在を知っている人が多いかと言われるとそうでもないので、こういう時に啓発がされているようです。
パンフレットの猫も可愛く、中身も読みやすくて良いですね。
飼い猫条例についてのものもあり、しっかり周知されているよう努められているなと感じました。
報告会、全体の感想
本日、あまり写真も撮らなかったので報告会全体の感想をいくつかにまとめて残します。
猫と島の歴史について
奄美大島には奄美にしかいない固有種がたくさんいて、生物多様性にとんでいるわけですが、奄美の生態系は約200万年前に大陸から切り離された時からゆっくり育まれてきたものという話がありました。
一方猫は諸説ありますが、人と一緒に暮らすようになったのが約9,000年前(砂漠地帯)で、日本に入ってきたのが1,500~1,000年前じゃないかと言われているというお話もありました。
これらを踏まえ、200万年も育んできた生態系と、1,500~1,000年の猫だと、どうしても猫は新参者と言うしかないなと思いました。
よく奄美のノネコ管理計画での話題でも「猫のいる生態系」についてを話される方もいますが、以前の世界自然遺産のシンポジウムでも言っていた通り、200万年を考えると猫が入ってきた歴史はほんの一瞬の出来事です。
この一瞬で色々なものが壊れていってしまっているので、やはり猫はおうちが良いんじゃないだろうかと、思う次第ですよ。
(猫が悪いと言っているわけじゃないです。管理せずに猫を放っておく飼い主が悪いと思っております)
奄美大島の環境で猫を外に出すのは控えめに言って可哀想
猫部の久野さんの話の中で、「台風で怪我をした保護猫もいる」というお話がありました。
また、山ではハブに噛まれる危険性があるという話もありましたが、これは前々から私もちょくちょく言っていたことで、「やっぱりそうだよなあ」と思いました。
「猫は1日のうち3分の2寝ている」という話もあり、奄美の外の環境じゃ3分の2もゆっくり寝られないんだろうなと想像ついて、外に居る猫の過酷さに(´・ω・`)となりました。
人にとっても猫はうちが良い
私は常日頃、「猫を外に出す人はダニとかノミとか平気なのかな?」と思っていて、ツイッターでも外に放つ飼い主さんに「ノミとかダニって心配じゃないんですか?」と話しかけていたんですけど、その疑問が今日、解決しました。
というのも、環境対策課の方が外に猫を出すとダニやノミがついてくるという話をされたんですよ。
薬をつけていれば(?)ノミやダニをつけずにいられるようなんですけど、猫にお金をかけずに飼っている(?)方はそういった薬を猫に与えないようで。
当然、外に行った猫はノミやダニをつけて帰ってきますから、そんな猫と一緒に寝てある日「かゆい!」となるわけです。
そういう例がチラホラあるという話でした。
つまり外に猫を出す人はそもそも「ノミやダニの心配に至ってない」可能性が高いというわけですね。
うーん、私なら絶対嫌だけどなあ。
大熊の外ネコ調査では5月時点で野良猫不妊化55%、TNRは75%~95%じゃないと意味がないという話
大熊町では町民も参加しての外猫調査が4回行われたわけですが、それでわかったのが5月時点で野良猫不妊化55%、TNRは75%~95%じゃないと意味がないので、もっと不妊化率を上げなければとなり、市がTNRを頑張ったところ結果10月、11月の調査で不妊化率87%にまで上がったそうです。
どうぶつ基金のさくらねこ病院が撤退した時、不妊化率が90%だから撤退すると言っていましたが、あれはなんだったのでしょうね。
外猫調査ではエリア分けをして写真を撮りながらどのような猫がいるかを調査したとの話ですが、同じ調査をしたのだろうか……?したなら何故90%となったのだろうと不思議になりました。
住民参加型の外ネコ調査だから外猫への意識が変わる
いくら口で「こうしたほうがいいよ」「あれがいいよ」なんて言っても、大体の人は「そうなんですね~」と流しちゃうもんですよね。
自分は関係ないと思っているので流して終わっちゃうわけですが、それなら当事者になってしまえばいいのですよ。
自分が関わるものであれば嫌でも頭に入ってきますし、ましてや外猫調査ですから体を動かしいっそう、記憶に刻まれます。
特に子供たちへの啓発が大切なので、大熊町の外猫調査は大成功なんじゃと思いました。
というのも、子供たちの感想が大変良いものだったのですよ↓
- 色んなことを知れたので広めたい
- 最初猫をしらんぷりしてたけど、興味を持てるようになった
- 調査して帰り道などで猫を意識するようになった
興味を持てば広めるし、気になれば知るきっかけになりますからね。
大人への啓発も勿論大切ですが、子供が知って色んな人に伝えてくれるのは何よりの啓発だし、常識として根付きやすくなるので良いですね。
これからに期待できるなと感じました。
ネコレンジャーについて
ネコレンジャーは20分程度の寸劇だったわけですが、全身タイツにネコミミの猫やノネコ、野良猫が出たり、アマミノクロウサギや餌やりおばさん、山に猫を捨てた男性などが出てきました。
チープな感じではありましたが、しっかり内容が濃くて良かったです。
心に残ったこと↓
- 生態系が壊れると山が壊れて人もいなくなる、猫だって住みづらくなる
- 猫も生きるために食べている
- え?マングースバスターの人なの?
猫が山に入り生態系を壊すと山というか自然が壊れるわけですが、そうなると人もいなくなり結果的に猫も住みづらくなるという部分をうまく伝えている劇だと思いました。
何よりマングースバスターの人がやっていたということに衝撃を受け、確かに良い体格をしていたかもしれないと思いました。
まとめ〆
基本的なお話が多かったですが、そもそも野良猫やノネコの事情を知らない人にも理解しやすい内容で良かったです。
こういった地道な活動が未来に繋がるんだと思うと胸熱でした。
年に1回は外ネコ調査をしたいと言っていたので、ぜひとも定期的にこういった報告会があればいいなと思いましたよ。
大熊町の外猫調査は奄美の中でも進んでいるなあと思ったので、是非ともこの調査がモデルとなり奄美全土に広まると良いですね。
今日は行ってよかったです。
おやすみなさい。