こんにちは。今日は猫は奄美大島の生態系に組み込まれてないヨという話をします。
この話は「私みたいな素人がしたところでなあ」と思わないでもないですし、ツイッターやyoutubeでもよく話されている話題なので人によっては耳タコなんでしょうけど、自分の中で整理するためにも書いていきたいと思います。
まあ、いいよね。私のブログやしナーーーーーーーーーー!
(仕事でまじめ記事ばかり書いているので反動がちょっときています)
猫が生態系に組み込まれていない理由
まず生態系ですよね。ここがわからないと、猫が生態系に何故組み込まれていないのかがわからないかと思うのですが、私の言葉では生態系について全く説明しきれないので、ここは引用の力を借りていこうかなと思います。
地球上には、1,000万以上の種類の生き物がいると考えられており、ひとつひとつの生き物はほかの生き物と関わり合いながら生きている。そうした生き物たちと、それらが生きる自然環境をあわせて「生態系」というよ。
よく生態系=弱肉強食と勘違いされている文面を観るのですが、生態系は生き物同士の関わり合いなんですね。
なので強いものが弱いものをただ食べたら良いという話ではないのです。
もうちょい生態系について解説されている文を引用していきましょうか。
川、海、草原、森林など、あるまとまりを持った自然環境と、そこに生息するすべての生物で構成される空間を生態系(自然生態系)といいます。
引用:生態系って、何?
「生態系」とは、食物連鎖などの生物間の相互関係と、生物とそれをとりまく無機的環境(水、大気、光など)の間の相互関係を総合的にとらえた生物社会のまとまりのことを示す概念である。生態系には、広大な森林から小さな池まで様々な大きさのものがあり、時として地球全体を一つの生態系と見ることもある。
ここまでくるとちょっとずつわかってきましたね。
同じようなことを引用しまくっていますが、同じような話でも言葉が違えば飲み込みやすさも違ってくるので、自分に合った解説を飲み込めばいいかなと。
生態系は概念なので、飲み込むまでに苦労しますよね。
もっと踏み込んだ引用も見てみましょうか。
生きものと環境の営みの中では、何一つとしてむだなものはありません。
しかし、植物も動物も微生物も、他の生きもののために、有機物や無機物、酸素や二酸化炭素を作っているわけではありません。
どの生きものも、自分のために生きているにもかかわらず、それぞれが生態系の重要な役割を果たしていて、お互いに関わりあうことで、生きものと環境のバランスが維持されているのです。
また、生きものの間で見られる「食べる・食べられる」という関係は食物連鎖(しょくもつれんさ)と呼ばれ、めぐりめぐってつながっています。
お互いに関わり合うことで、生きものと環境のバランスが維持されている
↑ここ注目してほしいです!
まさにここ。
これを守りたくて作られたのが、ノネコ管理計画なのです。
猫は奄美の「生態系=生きものと環境のバランス」に入れない
「猫は奄美にずっと前からいた生き物じゃないか!」
確かに、猫は私が生まれる前より奄美大島に居た・居る生き物です。
奄美大島では、江戸時代の嘉永3(1850)年の薩摩藩士・名越左源太の「南島雑話」において、江戸時代当時の島の自然や人々の生活が詳細に記述されています。
↑とあるので、少なくとも170年以上前には居た猫。
記事によっては何百年前、1500年前から居たなんて記述もありましたので、それを鵜呑みにしてみることにしますが、それでも猫は奄美の生態系には含まれていない生き物なんです。
というのも、奄美群島は約200万年前までには大陸から切り離された島なんですよね。
猫が170年~1500年前から奄美にいたとしても、奄美大島の生態系、約200万年前から形成されてきた生態系の背景を考えると人にとっては”猫がはるか昔から居たような生き物”に思えても、土地からしてみたら猫は新参者に過ぎないんですね。
現に、奄美大島の固有種であるトゲネズミさんはハブ回避のためのジャンプは身に着けても猫に対する防御能力はからっきしです。
なんならハブよけジャンブは「猫にとってそそる動作」とも言われているので、猫への対処能力……ないですよね。
奄美大島の代表ともいえるアマミノクロウサギもあの有様ですし、アマミヤマシギに至っても道路にポツンと立っているんですよ。
(アマミノクロウサギのあの有様はコチラの記事で動画を紹介しているので気になったら観てください)
意味わからないですよね。
もっと気を付けて生きてほしい。
(と思っても無理なので、気を付けるのは人が頑張りたいですね)
奄美大島にはカエルも多く生息しているのですが、カエルもカエルの時期に山へ行けば少し歩くだけでいらっしゃいます。
皆、猫という生き物を知らずに生きているかのような有様です。
まあ、出会ったら死でしょうから、知っているわけもないのですが。
それに猫も奄美の気候に適応しているとは思えない
譲渡認定者の中には、頻繁に奄美のノネコについてのツイをされている方もいらっしゃいます。
その方が言うに、奄美のノネコは普通の猫に見えるのだそう。
特に奄美のノネコだからこれができる、こんなことに強いというはっきりとした違いなどもなく、山にいたのが不思議なくらいノネコは普通の猫に見えるのだそうです。
奄美の自然の生態系の中にいる生き物は奄美の気候に適しています。
(湿度好きで嵐をやり過ごす穴暮らしとかね)
もし奄美のノネコが生態系に組み込まれていたなら猫も奄美で暮らせるような・暮らしやすい感じの生態になっていると思うんですよね。
でもノネコは普通の猫。
これでも本当に生態系に組み込まれていると思いますか……?
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というか、猫は外来種だしね
そもそもな話が、猫は外来種なのですよね。
外来種であっても、200万年前ほど前に大陸から切り離された奄美群島がこれまで育んできた生態系に、同じ分だけ居続けたらあるいは新しい生態系ができる可能性はあるでしょうが、猫が奄美に1500年前からいたとしても1500年では生態系に溶け込むには足りないでしょうね。
では何故猫が外来種なのか、外来種の定義も見ていきましょう。
外来種とは、たとえばカミツキガメのように、もともとその地域にいなかったのに、人間の活動によって他の地域から入ってきた生物のことを指します。
“外来種”という言葉を見ると、海外から日本に持ち込まれた生物(国外由来の外来種)のことを表すと思われがちです。しかし、“在来種(本来の分布域に生息・生育する生物)”でも、たとえばカブトムシのように、本来は本州以南にしか生息していない生物が北海道に入ってきた、というように日本国内のある地域から、もともといなかった地域に持ち込まれた場合には、“外来種”となり、もとからその地域にいる生物に影響を与える場合があります。このような"外来種"のことを「国内由来の外来種」と呼んでいます。
外来種は人間の活動によって他の地域から入ってきた生き物のことを指すので、奄美大島においても猫は外来種です。
奄美大島は約200万年前には大陸から引き離されていて、猫が170年~1500年前から居るとすれば島に猫を入れたのは人だと考えるのが妥当です。
泳いできたのではという意見もありましたが、泳いできたにしてもそもそもイエネコ自体が家畜種であるため、実は猫、どこにいっても外来種という面を持ちます。
ここらへんはまだまだ勉強不足でちゃんと説明できないので、ここも引用の力を借りますね。
現代のイエネコはリビアヤマネコの子孫であり、約1万年前に肥沃な三日月地帯で家畜化が始まったとされている。ポーランドで見つかった約6000年前のリビアヤマネコの骨は、中央ヨーロッパにおける最古の証拠だ。
猫が人間と暮らしていたことを示す最古の考古学的証拠は、9500年前の地中海キプロス島にさかのぼる。また中国中部でも、5000年前に猫がペットとして飼われていたことを示す考古学的証拠が発見されている。
猫と人の歴史、奄美に猫が入ってきた歴史よりとんでもなく深そうですね。
1500年前ほどから奄美に猫がいたとしても、これだけ前に家畜化されていたら奄美のどこに猫(イエネコ)がいたって猫は外来種なので、「奄美大島の生態系に猫が含まれている!」というのはそろそろ諦めてください。
「外来種=悪者」ではない
勘違いしてはいけないのは、外来種=悪者ではないということです。
猫は外来種というと怒りだす人もいますが、外来種って別に悪者を指す言葉じゃないんです。
家畜種はもれなく外来種になりますから、私たちが食べている牛や豚、米なんか外来種ですし、爬虫類や虫を取り寄せて飼っている場合はそれも外来種ですし、お花屋さんで花買ってきて飾ってもそれも外来種ですからね。
私たちは結構、外来種に囲まれて生きているんですよ。
ただ、人間が持ってくることを選択したのに持ってきた外来種を管理できていないから今、野放しになっている外来種が問題になっているんです。
外来種では悪者ではありませんが生態系への影響は計り知れないので、対策が取られるのは仕方ありません。
外来種問題は人の問題です。
生き物が善か悪かなんてそもそも問題ではないので、冷静に!考えてみましょう!
まとめ
「猫は生態系に組み込まれてないし、そもそも家畜種で外来種なんだよなあ」
タイトルにある通り、もう言いたいことはこれだけです。
ではね(^O^)
※いつもなら画像ちょいちょいいれるんですけど、パソコンが重かったので断念しました!残念だ!断念だ!