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シロ🚙ログ

奄美大島のノネコ問題

【レポ】ノネコ捕獲等に係る検討会に行ったので感想とか内容を覚えている分だけ書いてみる

「令和元年度奄美大島における生態系保全のためのノネコ捕獲等に係る検討会」に行ったのでレポる

会場があった文化センターは工事中でした

 

令和元年12月24日火曜日、13時半~15時まで奄美文化センターにて「令和元年度奄美大島における生態系保全のためのノネコ捕獲等に係る検討会」(名前が長い)がありました。

公開会議で傍聴希望の方は直接会場へとのことだったので、行きましたよ!

今回はそんなノネコ捕獲等に係る検討会でどんなことが話されたのかやらを覚えている範囲でレポします。

会議自体は6つの議題に分かれて行われたので、記事でも議題に沿って書いてみました。

会議の流れは

 

  1. 資料の説明
  2. 質問の時間

 

だったので、この記事でもその流れにそって、+私の感想も加えておりますが、私の感想は個人の感想に過ぎないので飛ばしていいです。(個人的なメモ書きの役目もありますので)

文字装飾は印象操作になりかねないのでできるだけおさえております。(感想部分はしています)

また、画像は項ごとに合うものを用意したかったのですが、無理でした。

奄美の雰囲気画像(雰囲気というか奄美ですが)としてお楽しみください。

 

奄美のノネコ譲渡についてのアナウンス

奄美大島では島内外問わずノネコのおうちを募集しております。

ちょっと出かけるのであとでここは修正しますが、取り急ぎ奄美市のノネコ譲渡希望者の募集リンクを貼っておきます!

是非よろしくお願いします。

 

Contents

①ノネコ捕獲及びモニタリングについて

奄美 大和村の山

ノネコのモリタリング方法と捕獲作業について、今後の作業方針やどんな餌を使っているかなど

資料の説明

捕獲作業

  2018年7月~12月 2019年5月~
作業員の数 3名 6名
罠の数 150基 300基
カメラ台数 34台 約100台
  • ノネコの撮影率の低い林内のカメラを回収してモニタリングの簡素化をおこなった
  • 作業員の数が2018年7月~12月は3名に対し、2019年5月からは6名、罠の数は2018年7月~12月で150基、2019年5月からは倍の300基になり、カメラ台数は2018年7月~12月は45台、2019年5月からは約100台となった
  • 捕獲作業日は現在土日を含む週5日~7日
  • 今年度は1㎢あたり年800わな日を目標に作業を開始、平均約1,205わな日となり目標を上回った

捕獲作業結果

  • 2018年7月~2019年11月まで55,353わな日の捕獲作業を行い、計88頭のノネコを捕獲(CPUEは1.59)
  • 2019年1月以降、全体で3,000わな日以上を保持、作業員を増員し作業面積を拡大したことでノネコ捕獲数が増加(CPUEは減少傾向)

モニタリング方法

  • 2018年5月~2019年10月末まで捕獲作業地域全体で45~107個のカメラを設置、そのほか2018年1月~4月にも捕獲作業地域で本事業とは別に45程度のカメラを設置、合わせたデータが解析に使われた
  • 回収したカメラの画像データでノネコと在来種の種ごとに撮影枚数を集計
  • ノネコの場合は同一のカメラで同一個体が同日に撮影されたら1枚の撮影とした(1日に同じノネコが何枚も撮影されても1枚として集計されている)
  • 画像データは3週間~1カ月の頻度で回収

モニタリング結果

  • 2019年10月までに捕獲された個体が捕獲以前に自動撮影カメラによるモニタリングで識別されていたか調べたら、およそ65%の個体を識別されていたことがわかった
  • ただし黒猫や白猫は写真から個体を識別が難しいので判別不可としている
  • 捕獲されたTNR個体の9頭のうち4頭が事前モニタリングで識別されていた
  • 2019年11月までに2頭の飼い猫が捕獲されており、そのうち1頭は事前モニタリングで識別されていた(1頭は公示後飼い主に返還、1頭は公示後譲渡済み)
  • 2018年2月から現在まで149頭が識別されていて広範囲を移動していると確認されている
  • 長期で何度も撮影されている個体あり(たとえば、2018年3月から2019年10月まで18カ月にわたり撮影されている個体もいた)(識別から捕獲まで13カ月かかった個体もいた)
  • 捕獲された個体88頭のうち事前モニタリングで識別されていない・または識別されて1カ月以内の個体は35頭
  • あきらかに生後間もないサイズの複数の子ネコと母親と考えられるネコが一緒に移っている画像が撮影されているほか、妊娠していると思われる個体、エサを運んでいる様子が頻繁に撮影されており、子育て中と思われる個体も撮影されていた(山で繁殖している個体がいる)

検証地域の結果

  • 捕獲作業の拡大があったので捕獲作業当時から現在まで継続している16㎢の捕獲作業地域を検証地域として設定
  • ノネコ捕獲数は6頭~0頭と変動はあるが、開始から現在において明確な増減の傾向はナシ
  • 検証地域に新規確認個体数がどれくらいいるか検証したところ、調査当初時点を除き毎月1頭~5頭流入している状態
  • 自動撮影カメラによるノネコモニタリングは捕獲作業開始の頃と比べて全体的に減少傾向にある

使用したエサ及び誘引要素とその結果

  • CPUEの値が高かったのが「キャットフードドライ+CD吊り下げ+ネコ尿♀」、次いで「キャットフードドライ+ネコ尿♀」」、「キャットフードを固めて冷凍したもの+キビナゴ+集魚剤」

まとめ

  • 目標の年間800わな日は達成(上回っている)
  • 流入元を特定・対策しなければならない
  • ノネコ撮影率は緩やかな減少傾向
  • 継続的な捕獲で個体数の増加を抑えることができていると考えられる
  • 捕獲された猫88頭のうち半数が確認されていなかった個体であることから、流入個体や作業地域内での繁殖個体であると考えられる
  • 2019年7月以降も毎月1~3頭程度の新規個体が確認されているので移動能力の高さがみえる
  • 子ネコなどが自動撮影カメラで撮影されているので山中で繁殖している個体がいることはほぼ確実
  • 新規個体の流入・流出に着目、ノネコの個体群動態をつかむことが重要なのでノネコの識別作業は時間や労力・技術が必要な作業だけども効率的な捕獲と効果検証のため今後も継続する
  • エサの誘引要素について、すべての個体に強いものは現在のところ確認されていない

質問の時間

感想

  • 山なのにTNR個体がいて捕獲された10%がTNR個体なのは問題、適正飼養が大切である
  • 山の中での繁殖個体も重要課題
  • 新規が「里から」「捕獲されていないエリアから」「繁殖個体」があると思うのでこれが工夫できるようになるといい

質問

Q.TNR個体はいつ手術した個体かわかれば移動距離がわかるのではないか?

A.台帳との照らし合わせはまだできていないが検討する

Q.飼い猫はどう区別されるのか?

A.マイクロチップと首輪(鑑札)

私(シロ)の感想

TNRの台帳で移動距離がこの先わかるようになるかもしれない!期待!

TNR個体の台帳と捕獲された猫を照らし合わせたら移動距離がわかるようになるのでは?の質問すごいな……と思いました。

広範囲を移動していることはモニタリングでわかっているので、台帳と照らし合わせたら更に詳しくどれくらい移動しているかがわかるようになるのですよね。

中々興味深いのでしてくれるといいなあ……。

ただどうぶつ基金さんも少ない数ではありますが野良猫をTNRしているので、「耳カットされているのに台帳に載ってない!」という混乱が生まれたりするのではと心配になりました。(杞憂だと良いですが……)

ノネコは存在する

また、「ノネコは人馴れしているから飼い猫だったに違いない」という声がツイッターでよく聞かれますが、モニタリングで明らかに生後間もないサイズの子猫や母親などが確認されている以上、馴れやすいのであっても完全なる山暮らしの子も多いのでしょう。

1割がTNR個体だとすると、9割が耳カットなしの子なわけです。

「④発生源対策との連携について」でも説明しますが、今年度から始まったTNRモニタリングの結果、不妊化率のパーセンテージが高かったという結果も出ているので、集落エリアにいるけど耳カットナシの子が山に行って捕獲されている子がいても、全頭里に居た猫というのは考えられないですね。

完全山暮らしとなるとやはり在来種を食べてしまうわけですから、ノネコ管理計画はやはり必要な計画であると再確認できました。

捕獲のスピードアップは検証や工夫があってこそ

捕獲がスピードアップした事に対する憶測が飛び交っていますが、今回の検討会に参加してモニタリングやエサなどの検証によっても捕獲の効率化を頑張っている面が見えたのはとても良かったです。

色んな工夫があって、頑張っている人がいて、様々な検証や研究、作業がされていること、忘れないようにしたいですね。

②混獲状況及び対策について

奄美の砂利道

奄美は砂利道へ入る道が多いですが、なかには行き止まりになっているところ、タイヤがハマりやすくなっているところあるので気をつけましょう

資料の説明

混獲状況

  • これまでカゴわなに混獲されたのはハシブトガラス、ルリカケス、ニワトリ、クマネズミ、ケナガネズミ、アマミトゲネズミ、アマミノクロウサギ、ハブ、サシバ、オットンガエル、イヌの11種
  • 混獲が多い順:ハシブトガラス(計518羽)、アマミトゲネズミ(計217頭)、クマネズミ(計113頭)
  • わなの中で動物が死亡していた事例:ハシブトガラス(5件)、クマネズミ(3件)、アマミトゲネズミ(1件)
  • 希少種混獲死事例はアマミトゲネズミの1件なので混獲が希少種の生息に与える影響はほぼないと考えられる
  • 希少種などは健康状態をみて放している

アマミトゲネズミ混獲死事例

  • 2019年8月23日13時ごろ、点検したわな内で生きているクマネズミとアマミトゲネズミを発見
  • 点検時にわなは稼働した状態
  • 死亡の原因は特定できていない
・アマミトゲネズミが混獲死した時の状況
  • 前日からの天候は晴れ、にわか雨が数度
  • わな設置地点はアスファルトの道路わき、日差しは直接当たらず木漏れ日がさす
  • 風向きは南、点検時は少し涼しく感じられる風通し
  • アマミトゲネズミはわなの入り口付近で仰向けになって死んでいた(頭部に損傷・尻尾の皮が少し切れて体は冷たくなり若干硬直がみられた)
  • クマネズミは特に弱った様子はなかった
  • わな内はネズミたちが激しく動き回ったことが推察できる様子だった(エサカゴは外れひっくり返り、わな入り口の装着ガードも外れていた)(わなを覆っていた段ボールパネルに穴はなし)

混獲対策について(カラス)

・状況
  • ハシブトガラスからはエサをとられたりわなを空打ちさせられたり等の影響があった
・対策
  • わな内に設置したカゴの中にエサを入れることを主な対策とした
  • わな内にエサを入れるカゴを設置することでエサがとりにくくなるので、カラスがあまり興味を示さなくなった
  • 全体的に設置が完了したのが2019年4月で5月・6月はハシブトガラスの捕獲数・CPUEは大きく減少(しかし7月・8月は捕獲数が増加したので、罠が有効というわけではなく単に一時的に警戒をしていた可能性が考えられる)
  • 9月からハシブトガラスの干渉が多い地域でわなを草木で多い目立ちにくくする工夫をした(9月10月のCPUEは7月8月より減少)
  • 今後も混獲数・空打ち数、エサへの干渉などを観察してさらなる対策を検討

混獲対策について(アマミトゲネズミ)

・状況
  • 2019年5月よりアマミトゲネズミが多く生息する地域で作業を開始したので、急激にアマミトゲネズミ混獲数が増加
  • 最大6頭同時捕獲
  • 混獲数の増加は混獲死の可能性を高くするため、混獲死が発生した8月23日以降、混獲が多発発生地域では捕獲作業を停止
・対策
  • 踏み板式カゴわなをエサを引き作動するエサ引き式わなに変更して試行中(エサ引き式カゴわなはある程度の力でエサを引かないと作動しないため小動物の混獲減少を期待できる)(ネコはこれまで通り捕獲できることを確認済み)
  • 踏み板式カゴわなの後方の金網を切ってアマミトゲネズミサイズの小動物が抜け出せる穴をあけ、捕まってもアマミトゲネズミが抜け出せるわなを作っている最中(改良中)(アマミトゲネズミが無事脱出確認できるのが確認出来たら、アマミトゲネズミの生息密度が高い場所に設置する罠は全て改良予定)

混獲対策について(その他)

  • 動物による冷却紗の破損対策で冷却紗のかわりにゴム式のマットレス・ステンレス製のわなカバーを検討
  • ↑他の動物からの破損対策・雨風対策としての効果を期待

質問の時間

感想

  • トゲネズミの混獲数はとても多いが、1匹しか死んでいないのは丁寧なわなであるといえる
  • 猫は数百のトゲネズミを食べるので混獲に配慮しすぎて捕獲圧が下がらないようにしてほしい
  • カラスはえさがエサカゴに入っていると覚えてしまっている、ルリカケスの巣箱はカラスが入れないような巣箱にすることで守られているので参考にしてほしい
  • 頻繁にかごを変えてみるのはどうか(しかしカラスは人の動きを見ているので注意)

質問

Q.カラスがわなの稼働率を下げている
カラスがわなを覚えてしまうとまたかかるのでは?次の対策はあるのか?

A.今はさらにえさかごに網もつけている
これからも必要なら解決法を考える

Q.トゲネズミは猫の尿を避けたりはしないのか?(エサに猫♀の尿がかけられているものもあるので)

A.検証を検討してみる
今のところ、なんにでもかかるという印象

私(シロ)の感想

カラスは頭良すぎ

カラスの頭の良さにとても驚きました。

検討会では対策が2つ紹介されていましたが、1つ目は効果があったように見せかけて攻略されていましたね。

質問の時間で「カラスがわなを覚えてしまうとまたかかるのでは?」とありましたが、私も資料の説明を聞いててそう思いました。

カラスがまた罠の攻略方法を編み出してもいいように次々と対策を立てることが大切ですね。

わなの場所を頻繁に変えてみるのも有効だそうですが、しかしカラスは人の動きも見ているようなので中々いたちごっこになりそうです!

コナミ感ですが、罠設置もとても大変な作業だなあと思いました。

トゲネズミもまったり属性の動物だったのか……

トゲネズミはネコの尿も割と平気そうな印象であるという印象であるという話もありましたが、ネコは一説によれば猫は江戸時代からいるらしいのに、やはり数百年単位では元々いる生き物がネコに対応することは難しそうですね。

(トゲネズミものんびりした生き物だからこそ、というのもあるかもしれません)

わなはエサ引き式カゴわなについても、ネコの目に刺さるから危ないとどうぶつ基金さんが主張していましたが、踏み板式カゴわなを改良してアマミトゲネズミが逃げられるものが完成したら問題なさそうです。

カゴわなもエサのようにこうやって改良を重ねていることがわかり良かったです。

トゲネズミの混獲死について

アマミトゲネズミの混獲死はとても残念な出来事でしたが、一緒に入っていたクマネズミは元気であることと、アマミトゲネズミには頭部と尻尾に損傷があったことから、クマネズミと喧嘩してしまったのかなあ、と思いました。

アマミトゲネズミはネコの尿も避けないし、クマネズミと喧嘩したら勝てる見込みがない(仮説になりますが)となれば、本当にトゲネズミもまったりゆっくりした生きものなのであると考えられます。

まったりゆっくり生きられる環境(元々の奄美の山)を整えていくことが大切、改めてそう思った次第です。

③在来種モニタリングについて

鳴き声もそうだけど、ガサガサッという音、なかなかビビります

在来種の生息状況を把握してノネコ捕獲による効果を検証するために自動撮影カメラ調査・アマミノクロウサギ糞塊調査を実施

資料の説明

自動撮影カメラによる在来種モニタリングの方法

  • ノネコモニタリング用に撮られたセンサーカメラ画像データを用いて検証地域での在来種撮影率の集計
  • ネコとは違って個体識別は不可(違いがわかりづらいので)
  • 回収したカメラ画像データを在来種の種ごとに撮影枚数を集計
  • 各月稼働していたカメラ台数・稼働時間をカメラ日として集計
  • その日稼働していたすべてのカメラで撮られた撮影枚数の合計をカメラ日で除し1,000をかけて撮影率を出す

アマミノクロウサギの糞塊調査の方法

  • 検証地域内におけるアマミノクロウサギ糞塊数のカウント調査
  • 1週間に1度、捕獲作業中に行った
  • わなからわなまでの間にアマミノクロウサギの糞を発見したら糞塊数を集計
  • 糞塊確認地点と糞塊の出現頻度をそれぞれ月ごとで算出

在来種モニタリングの結果

  • 2018年3月から2019年10月まで、アマミノクロウサギとアマミヤマシギが多く撮影されていた(自動撮影カメラは林道上を撮影する角度なので路上に出現しやすいこの2種の撮影率が高かったと考えられる)
  • アマミノクロウサギは9月から5月にかけて高い撮影率
  • アマミヤマシギは全体を通して増減が大きいので傾向がつかめなかった
  • ↑2019年1月に林内のカメラを回収して林道沿いのカメラのみを残しているので森林内外の撮影率の差が影響している可能性がある(つまりあまりあてにならないデータになってしまっている)
  • アマミノクロウサギ:2019年春から糞塊確認地点割合や出現頻度ともに多くなる傾向があったが、ノネコ捕獲により個体数が増えたのか林内にいる個体が道路上に出てきたのか、どちらなのかはこの調査ではわからない

まとめと今後の方針

  • アマミノクロウサギ:センサーカメラによるモニタリング結果は9月あら5月にかけて高い撮影率で推移、糞塊調査では2019年春ごろより増加傾向、しかし撮影率はアマミノクロウサギの季節性を反映している可能性があるので現時点で増減の評価はできない
  • アマミノクロウサギ:糞塊調査は幼獣糞の割合を調べるなどで個体数の確かな増加の裏付けが必要
  • アマミノクロウサギ:引き続き調査を継続する必要がある
  • その他の種:現在のセンサーカメラ設置方法では種によって写りやすい・写りづらいがあるので撮影率の低い種は過小評価の可能性がある
  • 新たなモニタリング用のカメラを設置、マングース防除事業のカメラを活用するなど検出率の向上を目指す

質問の時間

感想

  • 統一された集計を出すことが大切(カメラのある場所が途中で変わったので集計が意味のないものとなってしまう)
  • 撮影率が今後上がることを期待
  • ネコがいなくなることで在来種の活動も活発になるはず(ネコを避ける生き物もいるので)

質問

Q.カメラには幼獣はいないの?

A.カメラの前にあからさまな幼獣が出てくることはないが、見れないことはないと思うので試してみる

Q.わなとカメラを離している理由は?

A.わなとカメラが近いと、わなの餌に誘われた個体を写すことになるため在来種モニタリングにならない

私(シロ)の感想

道路に出づらい在来種の数ももっと知りたい

在来種のモニタリングでアマミノクロウサギがよく上がりますが、他の種もできたらどれくらいいるのか、増えているのかをもっと詳しく知りたいです。(お金や人員の関係で難しいかもしれませんが……!)

在来種モニタリングではアマミノクロウサギ、アマミヤマシギの他にもアマミトゲネズミ、オオアカゲラ、オオトラツグミ、カラスバト、ケナガネズミ、ルリカケスの撮影率もみていましたが、できればもっと(わがままになりますが)道路に出づらい個体についても注目してモニタリングできるようになればいいのになあと思いました。

特にノネコはアマミトゲネズミを多く食べているのですから、アマミトゲネズミをモニタリングできるようになるといいですよね。

とはいえあんなに小さな生き物、どうモニタリングできるのでしょうか……。

やはり野生動物のモニタリング、数をはっきり出すことの難しさを感じます。

自動撮影カメラがまた増えたらワンチャン?

自動撮影カメラに写っている様子なのでカメラ数を増やせばワンチャン……新たなモニタリング用カメラを設置とあったため、増やすのだと思いますがノネコモニタリングの簡素化を図るために減らしたのにまた増やすのですかね?

ノネコの撮影率が低い場所のカメラを減らしたとあったので、まだ設置していないところにも設置してみてノネコモニタリングと並行して在来種モニタリングもするのかな?

今後はマングース防除事業のカメラも活用するとのことなので、続報を待ちます!

④発生源対策との連携について

大熊町のモニタリング地図

資料の説明

2019年度の取り組み

  • TNRの強化(2019年度より奄美大島ねこ対策協議会としてTNR事業開始)
  • 集落ごとにTNR前後にノラネコの数や不妊去勢手術率をモニタリング
  • 希少種生息地域に近い集落、ノネコ捕獲地域に近い地域も考慮しTNRを実
・予定
  • 普及啓発イベント・マイクロチップ装着会の開催
  • ↑環境省事業、特に希少種生息域と密接している集落に適正飼養を徹底するための普及啓発イベントとマイクロチップ装着会を公民館で開催予定

継続事業

大事なところなので資料のまま写しています↓

飼い猫条例(H23施行・H29改正)

実施主体:奄美大島5市町村

  • 飼い猫の登録、マイクロチップの義務
  • 多頭飼育許可制
  • 室内飼育の努力義務
  • 飼い猫以外へのみだりな餌やりの禁止
飼い猫不妊去勢事業

実施主体:奄美大島5市町村
(2013年~2015年は鹿児島県獣医師会と協力)

  • 1頭あたり雄:5,000円~15,000円の助成
  • 1頭あたり雌:10,000円~25,000円の助成
普及啓発

実施主体:環境省、鹿児島県、奄美大島ねこ対策協議会

  • パンフレット、広報誌の活用
  • 動物愛護週間の実施
  • マイクロチップ装着支援モデル事業(H20-H29環境省)
  • 飼い猫登録数に対するマイクロチップ装着支援(市町村)
市街地におけるTNR

実施主体:奄美市、瀬戸内町

  • 協議会におけるTNRと別にノラネコが多い市街地においてTNRを継続して実施

奄美大島5市町村飼い猫飼養状況(令和1年10月末)

こちら資料が表なのですが、表丸写しはちょっと面倒くさいので平成23年度(2011年)と平成28年度(2016年)~令和1年度(2019年)のみ抜いたものを記しておきますね。

(資料自体がpdfで上がった時に、気が向いたら差し替えておきます)

・飼い猫登録数
  平成23年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 令和1年度
総登録数 2753 3923 4264 4467 4757
新規登録数 374 632 299 23
前年度比率 110% 109% 105% 106%
・避妊去勢(手術率)
  平成23年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 令和1年度
総手術済数 782 1481 1827 2204 2202
手術率 28.4% 37.8% 42.8% 49.3% 46.3%
前年度比 110% 123% 121% 100%
・マイクロチップ(装着率)
  平成23年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 令和1年度
総装着数 187 536 702 1163 1188
装着率 6.79% 13.66% 16.46% 26.04% 24.97%
前年度比 132% 131% 166% 102%
・死骸回収
  平成23年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 令和1年度
奄美市道のみ 不明 144 121 97 63
鹿児島県報告奄美市のみ(県道) 不明 28 21 5  
・不妊去勢手術助成金(2019年12月時点)
奄美市
雄:5,000円
雌:10,000円
H28.4~
龍郷町
雄:5,000円
雌:15,000円
~H31.3
H31.4からは新規登録者のみ補助対象
大和村
雄:15,000円
雌:25,000円
H28.4~
宇検村
雄:10,000円
雌:20,000円
H29.4~
瀬戸内町
雄:5,000円
雌:10,000円
H27.9~
・マイクロチップ助成金(2019年12月時点)
奄美市
処置費用全額(登録費除く)
H29.12~
龍郷町
チップ購入費は町負担
H30.4~
大和村
処置費用全額(登録費除く)
H30.4~
宇検村
4,000円
H30.4~
瀬戸内町
チップ購入費は町負担
H30.4~

奄美大島5市町村野良猫TNR事業実績(~R1.10末)

こちらも細かな表が資料としてありますが、全部記すのは本当に面倒なので、合計のみ写しておきますね。

  合計
  処置 予算額 決算額
平成25年実績 103 500,000 500,000
平成26年実績 315 1,130,000 886,600
平成27年実績 304 2,719,000 2,698,027
平成28年実績 743 14,046,000 13,715,748
平成29年実績 922 16,528,000 14,424,060
鹿児島大学 350 1,200,000 1,200,000
平成30年実績 552 14,710,000 4,996,730
鹿児島大学/単独 414 2,400,000 0
平成31年計画 264 22,000,000 22,000,000
合計 3,967 75,233,000 60,421,165

TNR実績の3,967頭ですが、最新のものだと合計4,074頭で、また手術予定があるのでもう少し増えるという話がありました。

・TNR実施方法

(~H30)

  奄美市 瀬戸内町 大和村 宇検村 龍郷町
捕獲 職員 職員 職員 職員 委託業者
手術 委託業者 職員 大島地区獣医師会 大島地区獣医師会 委託業者
モニタリング ほとんど実施なし 職員・ボランティア ほとんど実施なし ほとんど実施なし 委託業者

(R1~)

  奄美市 瀬戸内町 大和村 宇検村 龍郷町
捕獲 委託業者・職員(単独分) 委託業者・職員(単独分) 委託業者 委託業者 委託業者
手術 委託業者・鹿児島大学 委託業者・職員(単独分) 委託業者 委託業者 委託業者
モニタリング 委託業者 委託業者・ボランティア 委託業者 委託業者 委託業者

各実施集落における実施日ごとのイエネコ調査及び捕獲状況と不妊化率(モニタリングTNRの結果)

A~K、合計11か所の集落でのモニタリングTNRの結果を示す資料がありました。

こちらも細かなところを省いて載せます。

・2019年8月 実施集落A~D
  A B C D
今回の手術頭数 2 2 4 1
総不妊化頭数 11 4 10 2
残未不妊化頭数 0 0 5 1
総ノラネコ確認頭数 11 4 15 3
不妊化率(%) 100.0 100.0 66.7 66.7
・2019年9月 実施集落E~H
  E F G H
今回の手術頭数 1 2 1 3
総不妊化頭数 5 22 2 15
残未不妊化頭数 0 0 0 1
総ノラネコ確認頭数 5 22 2 16
不妊化率(%) 100.0 100.0 100.0 93.8
・2019年10月 実施集落I~K
  I J K
今回の手術頭数 32 1 3  
総不妊化頭数 56 8 12  
残未不妊化頭数 9 2 1  
総ノラネコ確認頭数 65 10 13  
不妊化率(%) 86.2 80.0 92.3  

質問の時間

感想

  • 室内飼育・避妊去勢・室内飼育の義務化を目指してほしい
  • TNR率が100%のところがあるが下がる可能性は大いにあるので引き続きみてほしい
  • 畑にネズミ対策で猫を取り入れるところがあり、猫を補充してしまうので猫はねずみ対策には意味がないと啓発することが必要
  • 猫がいなくなっても放っておくではなく、保健所に問い合わせるすべがあるという啓発もしたほうがいい

質問

Q.室内飼育実施率なども数字で欲しい

A.登録数が年々減っている、引っ越してから登録する人がいたりいなかったりで今のところ難しい

Q.登録されていない飼い猫の数が知りたい

A.集落はできるかもしれない
市街地は難しいが、聞き取りをしながらできるかやってみたい

Q.いなくなった猫についての相談はあるか?

A.問い合わせは増えているが多いわけじゃない
保健所には月に1~2件程度ある

Q.それは多いのか?

A.なんともいえない

私(シロ)の感想

普及啓発イベント・マイクロチップ装着会が楽しみ

「普及啓発イベント・マイクロチップ装着会の開催」が楽しみですね。

飼い猫がノネコとして捕獲されるとしたら密接している集落からだろうと予想できるので、希少種生息域と密接している集落のマイクロチップ装着率が上がれば「ノネコとして捕獲されるネコが飼いネコである」という噂も消えるでしょう。

TNR個体であれば台帳と照らし合わせてどれくらいの距離を猫が移動するかもわかるようになる可能性が今あるので、そうなればどこの集落から入ってきやすいかもわかるようになりますし、併せて頑張ってもらいたいです!続報が楽しみです!

全集落で不妊化率100%も夢じゃない?

また、集落ごとのモニタリングで不妊化率100%達成地域が11か所中5か所ありました。

その他地域でも50%以上はあり、このままいけば全地域不妊化率100%も夢じゃないですね。

ただ「第1回大熊町外ネコ調査報告会」で時期によって出てくるネコの数が違うという話が確かあったので、数回調べた結果100%というのは安心できるものではないと感じました。

とはいえこれでモニタリングは終了!というわけでもなさそうなので、引き続き不妊化率などデータが出てくることでしょう。

こちらも楽しみにしています。

登録されていない飼い猫の数、おおよそでも良いから数字が出るのが楽しみ

質問の時間であった登録されていない飼い猫の数については、市街地は難しいけれど集落ならできるかもしれないとのことなのでこちらも楽しみですね。

令和1年度(2019年)の飼い猫登録数は4,757件、これが多いのか少ないのかよくわからなかったので、分母がある程度分かるようになればと思います。

⑤今後の予定について

看板のパターン何種かあるので奄美に来たら探してみてね

資料の説明

ノネコ捕獲に関する現状について

  • 平成26年の環境省調査結果で奄美大島のノネコ生息密度は1㎢あたり1~2頭、生息数は約600~1,200頭と推定
  • ノネコ捕獲は2018年7月より検証地域を中心に捕獲作業地域を徐々に拡大
  • ノネコの捕獲手法やモニタリング手法、在来種モニタリング手法の確立に向け継続的に捕獲作業を実施(工夫をしている)
  • 検証地域(16㎢):2018年7月下旬~2019年11月末までに37頭のノネコを捕獲(CPUE(1,000わな日):1.97)
  • 検証地域内での識別個体数・自動撮影カメラにおけるノネコの撮影率が減少傾向にある
  • しかし毎月継続して新規確認個体が検証地域で確認されているので、ノネコの効率的な捕獲と発生源対策の強化が必要(関係機関の連携、ノネコ管理手法の確立が急務)

2020年度の捕獲・モニタリング作業方針

  • 現在の捕獲作業地域、捕獲努力量を基本にノネコモニタリングの実施、効率的な捕獲手法を一定程度確率
  • 検証地域を中心とした発生源対策、連携したノネコ管理の手法を確立して地域の拡大と移動を検討
  • 検証地域を中心に糞塊調査、自動撮影カメラデータ、マングース防除事業のカメラデータをいかして希少種の生息状況を継続的にモニタリング、評価するための方針を検討

ノネコ管理計画目標達成に向けた対策スケジュールの検討

  • 2027年までに「多くの固有種を含む奄美大島の生態系に対してノネコが及ぼす潜在的、顕在化した影響を取り除き、さらにノネコの発生源対策を講じることで、同島独自の在来生態系の保全に資する」ことを目標に掲げている
  • 目標に向けて関係機関との連携を強化、各種対策を加速するために具体的な対策と手順、目標達成に向けたスケジュールの検討を進める

質問の時間

感想

  • 発生源の管理が大切で、飼い主の意識や理解と協力も必要
  • 啓発やアンケート、補助を出すなど
  • 奄美では室内飼いする工夫についても啓発したらどうか(最近ではネットで脱走防止のアイテムが売っているというような話があった)
  • 交通事故で猫が死ぬのは可哀想なのでその点も含めて(数字などのデータなどを用いて)啓発するといいのではないか
  • 最近の捕獲状況を見てやはり推定600~1,200はいるのでは?と感じた
  • 2027年までに終えるのはとても大変なこと(山での捕獲と里の猫の管理)

私(シロ)の感想

ノネコ管理計画が始まった当初は捕獲数がかんばしくなく、推定数ほどいないのではないか、という噂も飛び交ったものですが、捕獲するための様々な工夫のかいがあり捕獲数が多くなってきたことでやはり600~1,200頭はいるのではという話がありました。

しかし捕獲数は上がっていますが、自動撮影カメラでのノネコの撮影率が減少傾向にあるので、よく出回っている「3,000匹の奄美のノネコ」はいないという結果になるでしょうね。

ノネコ捕獲作業地域の拡大もなぜかネットで叩かれる内容だったりしますが、要はまだ捕獲が進んでいない地域からの新規確認個体の流入も考えられるため捕獲作業地域を拡大するという事なので、何も変なところはないです。

ただ、こういった検討会を傍聴する機会があるかないかでも理解度はだいぶ変わってくるなと感じたので、これからも積極的に参加できるものがあれば参加していこうと思いました!

⑥その他

その他ではカゴわなの環境温度測定についてと捕獲されたノネコの糞分析結果について話されていました。

資料の説明

カゴわなの環境温度測定について

カゴわなの環境温度測定が行われた奄美野生生物保護センターの駐車場

  • ノネコ管理計画に基づき、山間部にいるネコの捕獲を実施しており、わなは生け捕り式で捕獲された動物の安全に配慮した工夫をしているが実際の効果について不明な点もあるため、わなの温度環境に注目して捕獲された動物が異常な温度にさらされない設置方法設置場所の検討を行った
  • 環境温度測定は低地にある奄美野生生物保護センターの駐車場で実施
  1. 想定される最も過酷な温度環境であるアスファルト上の日向に設置した場合、カゴわな内部の最大温度はどれくらい上昇するのか
  2. 設置場所(日向・日陰)によってどれくらいの内部の温度変化があるのか
  3. カゴわなのカバー種類によって内部の温度変化はあるのか
・調査環境

野生生物保護センターは面白いので奄美におこしのさいは是非どうぞ!

  • 大和村奄美野生生物保護センターの駐車場(標高10m程度)に2019年8月末~9月頭に行った
  • 駐車場は全面アスファルト舗装、周辺は植栽樹に囲まれており一部分は終日日陰になる場所もある
  • カゴわなは実際に使用されている小中型哺乳類の捕獲用わなを使用
  • 事業で使用することを想定しているのでカラスからの攻撃を防ぐ4タイプのカバーを施した(木の板で4面をかこった木箱タイプ、白色の半透明プラスチックダンボールパネルで4面をかこったダンパネタイプ、フローリングマットで4面をかこったカーペットタイプ、寒冷紗でわなをくるんだ寒冷紗タイプ)
・調査方法
  • 測定場所の比較のために同じカバータイプのカゴわなを丸2日間(48時間)ずつ、終日日向になるアスファルト上(以下、日向)とほぼ終日日陰になる草地(以下、日陰)の2か所に設置、わな内の温度(内部温度)を記録
  • わな内外の環境温度を比較するため温度ロガーをわなの内側に加え、わなの外(高さ30cm)にも設置(外気温)
  • カバーの種類による影響への評価のため、日向になる場所に同時に4つタイプのカゴわなを設置、内部の温度を記録し比較
  • 気温については気象庁ホームページの名瀬の1時間ごとのデータを使用
  • 同じタイプで行った測定場所による比較の測定は2019年8月21日から8月30日まで、異なるカバーの同時測定は2019年9月1日から9月5日まで
・調査結果
①想定される最も過酷な温度環境であるアスファルト上の日向に設置した場合のカゴわな内部の最大温度
  • 測定実施の8月21日~9月5日までの間、日向に設置したカゴわなで最も高かったのは9月3日のダンパネタイプのわな
  • 最大内部温度は15時半ごろに測定された47.8℃
  • この日最大気温は16時台の30.9℃、内部温度の上昇とは温度差があった
  日向 日陰
  平均内部温度 最大内部温度 平均内部温度 最大内部温度
木箱 30.4 45.3 28.0 33.4
カーペット 29.9 44.3 27.8 34.4
ダンパネ 31.2 47.8 28.3 34.9
寒冷紗 30.4 46.4 28.4 34.4

※日向は2019年8月21日~9月5日のデータ、日陰は2019年8月21日~8月30日のデータを使用

②設置場所(日向と日陰)の温度環境の違い
  • 日向と日陰で日中の最大内部温度を比較すると日向の方が日陰より10℃近く暑い
  • 日向と日陰、内部温度の最大温度差は17℃
  • 日中の気温より日向の内部温度が全体として高いが、日陰は気温とほぼ同じかそれよりも低い温度が黒くされた
  • 日陰の内部温度のピークは午前中なのだがこれは設置場所がに日出後の数時間だけ日が当たるため日向と同程度温度上昇をしたと考えられる
  • 夜間の内部温度は外気温と比べて3℃程度低かった
  • 外気温と内部温度、平均温度を比較すると日陰が0.1~0.8℃低く、日向だと木箱タイプが0.7度低かった
  • 他の3つのタイプのわなは内部温度が0.8~2.5℃高かった
  • ダンパネや寒冷紗タイプだと日向の内部温度が外気温より6~7℃高い時間もあった
③カバータイプによる違い
  • 4タイプのわなを同時に日向に設置し温度測定したところダンパネタイプが常に他のカバータイプよりも内部温度が高くなる傾向にあった
  • 次に木箱、カーペットタイプと寒冷紗タイプはあまり変わりがなかった
  • 最大温度差は10℃、9月3日の15時半にダンパネ47.8℃、カーペット37.8℃だった
  • もっとも内部温度が高いダンパネタイプ、温度上昇が低いカーペットタイプの温度差は全調査日で平均2.4±2.7℃
  • 日没後は4タイプでほぼ同じ温度まで下がった
・考察
  • アスファルト上の日向においた場合、わな内部は47℃を超えるためこの状態で捕獲したら捕獲個体への影響がある可能性が示唆される
  • 日陰に設置した場合は日向よりも温度上昇を抑えられるので捕獲個体への影響は小さいと考えられる
  • わな内部の温度上昇はその日の最大気温や時間的なズレがあったので、気温の上昇だけではなく太陽の高さ、一時的なくもりも影響しているのではないか
  • 実際に捕獲している山間部とは条件が異なり、ほとんどの場所が標高200m以上、気温は標高100mあたり0.6℃下がるので実際の作業現場は今回の測定値より1~2℃低い可能性が高い
  • 林道は多くが四方に山、森林があり日陰の環境になりやすい&風通しも良いので、実際は調査した時以上の劣悪な環境ではないと考えれる
・今後配慮するべき点
  • 夏季はアスファルト上に既存のカバーを用いたカゴわなを設置すると内部温度が周辺の環境温度と比較して明らかに高くなり、捕獲動物に影響があるおそれがあるのでこの状態(アスファルト上)でのわな設置は避けるべき
  • ↑これまでに設置した全てのカゴわなは林内・林縁にある日陰になる場所に設置しているため、終日日向のアスファルト上に設置する必要性は想定されていない
  • 万が一アスファルト上の設置、長時間直射日光に当たる条件下で設置する場合はわな内の温度上昇に十分留意し、捕獲個体への影響を軽減する措置をとる必要がある
  • ノネコや在来哺乳類の多くは夜に活発になり捕獲されていると考えられるので、作業員によるわなのチェックが行われるまでの午前中の日光の差し込みに留意した工夫が重要
  • 日中に捕獲されるリュウキュウハシブトガラスにも留意、午後も長時間日航が当たらない設置、工夫をする
  • わなの混獲対策を継続する

糞分析の結果について

・調査手法
  • 2018年度に捕獲されたネコのうち2018年7月19日~2019年3月11日までに捕獲された40頭について糞内容物分析を行った
  • 捕獲排泄された糞の初回と2回目の糞を採取、冷凍保存
  • 40頭のうち2頭は2回目の糞が採取できなかったので初回の糞のみを分析
  1. 洗浄、乾燥、分類
    糞に含まれている未消化物を検出するために約1mmメッシュを使用、流水で複数回にわたり糞を洗浄したのちに、洗浄後に残った未消化物を約48時間乾燥させたあと、体毛・骨・歯・羽毛など種類ごとに分類した
  2. 分析
    分類結果をもとに種の同定を行った
    種同定が困難な場合は可能な限り下位の分類まで同定を行い、同個体の糞に複数の同じ骨(下あごなど)を発見した場合は確認できた頭数を記録
・調査結果と考察
  • 出現個体数は40頭のネコから対象種が何頭検出されたかを表す(下記の表)
  • 異なるサイズの同じがわの下あごが2つ出た場合は2個体として集計
  • 在来の哺乳類が6割以上のネコから検出、中でもケナガネズミ、アマミトゲネズミが高い頻度で確認された
  • 人工物はゴムやヒモ、その他は草などが検出された
  • 節足動物はカマドウマ、バッタが多く検出された
  • キャットフードが検出されたネコは全体の3割だったが、キャットフードは誘引餌にも使用しており、捕獲後にもキャットフードを摂取しているのでそれらキャットフードが検出されている可能性があるが、集落でキャットフードを食べたネコが集落と森林を短期間で移動している可能性もある
  • キャットフードや草のみが検出されたネコは4頭で、森林内に居る約9割のネコが野生動物を捕食しているといえる
捕獲ネコ糞内容物の動物種別分析結果
種類 出現回数 出現頻度(%) 出現個体数
在来哺乳類 26 65.0 44
アマミノクロウサギ 3 7.5 3
ケナガネズミ 16 40.0 18
アマミトゲネズミ 16 40.0 18
ジネズミ 4 10.0 5
外来または不明の哺乳類 10 25.0 10
クマネズミ 9 22.5 9
不明 1 2.5 1
鳥類 1 2.5 1
不明 1 2.5 1
節足動物 15 37.5
両生類・爬虫類 1 2.5
キャットフード 12 30.0
人工物 3 7.5

私(シロ)の感想

時間が押しているという事もあり、その他については感想や質問の時間がなかったので書いておりません。

個人的には⑥その他が一番気になっていたことを解消できた時間でした。

野生生物保護センターで行われたカゴわな内部の温度を測る検証実験について

というのも、どうぶつ基金さんが以前記事に、奄美ではない場所でカゴわな内部の温度を測る実験をしたところ、54.8℃まで上がったという結果をだしたのですよね。

どうぶつ基金さんの実験日は8月4日16時ごろで、兵庫県六甲山中標高500m、気象庁発表温度は31℃、実測温度は33℃だったようですね。

そんな中で測ったところ、54.8℃に上がったそうですが、不思議なことに奄美野生生物保護センターで行った実験では最大でも47.8℃まで上がらず、さらにダンパネタイプ+日向であったためであると実験結果ではわかったので、逆にどうぶつ基金さんはどんな状況下で測ったの?と心配になりました。

ただそれでも47.8℃は相当高い温度ですから、ここまで温度が上がったカゴわなを使うのは危険ですね。

しかしこれまで設置した全てのカゴわなは林内などの日陰になる場所に設置しているようですので、実験結果を見る限りは問題ないと言えるでしょう。

しっかりとした検証を行うためには想定できるパターンでしっかり試すことが大切だし、しっかり試した結果なら信用できるものになりうるなと思いました。

落ちてるゴミを食べてしまうノネコの山での暮らしは過酷なのではないか?

糞分析ですが、捕獲されたノネコの糞分析結果も知りたいところだったのでこの時間があったのはとても良かったです。

野生動物は食べられているんだろうと思っていたので悲しみはあれど驚きはなかったのですが、食べてしまったものの中にナイロンやゴム、紐などが含まれているとあり、ノネコの山での暮らしの過酷さを垣間見ました。

奄美の野生動物はおっとりしていて捕食されやすいとは言いますが、それでも食うに困らないノネコばかりというわけではないんだろうなと考えずにはいられませんでした。

食べ物であると思いゴミを食べてしまう個体が少なからずいるのですから、やはり猫は山にいてはいけないなと、野生動物抜きにしてもそう思いました。

検討会全体の感想〆

草まみれの道は進むのが怖いので引き返します

傍聴可能という事でドキドキしながら検討会を見に行ったわけですが、当日は記者さんに囲まれながら聞いていたのでとてもドキドキしました(笑)

私自身、イベントごとをキャッチする能力がないので、今回検討会があるよと教えてくださった方に感謝しかないです。

ありがとうございます!

こういった突っ込んだ内容を聞きたかったので、この濃厚な時間と資料、大切に保管致します。

この検討会で、私が今後楽しみだなと思ったのは

 

  1. 捕獲されたTNR個体を台帳で照合し移動距離を調べる
  2. 在来種モニタリング
  3. TNRモニタリング(不妊化率)
  4. 普及啓発イベント・マイクロチップ装着会
  5. 登録されていない飼い猫の数(おおよそ)

 

の5点です。

特にどれくらい登録されていない飼い猫がいるのかを知りたいので、できれば頑張ってほしいです!

捕獲されたTNR個体の台帳を生かして移動距離を調べるのも大変な作業だと思いますが、是非お願いします!

 

また、今回の検討会でははっきりと「多くの固有種を含む奄美大島の生態系に対してノネコが及ぼす潜在的、顕在化した影響を取り除き、さらにノネコの発生源対策を講じることで、同島独自の在来生態系の保全に資する」と記されていた点が良かったです。

 

「アマミノクロウサギが大切ならクロウサギだけ保護したらいいじゃないか」

 

そんな声も少なからずありますが、ノネコ管理計画は希少種を保護するための計画ではなく生態系の保全のための計画であるのでその点ごちゃごちゃにしてしまわないようにしたいですね。

ノネコ管理計画がパーフェクト計画とは私も思っていませんが、しかしこうやって日々検討され工夫し改善されていますから、段々よりよく精度をましていくと思いました!

また公開検討会があれば参加したいです。

まとまりのない〆になりますが、長くなりすぎるのでこれで終わります!

ではでは

-奄美大島のノネコ問題

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