最近、
奄美大島には野良猫や外飼いネコもいるから3,000匹殺処分計画というのも間違いではない
という話を目にすることも多くなってきました。
なのでここでもしっかりと、
3,000匹殺処分計画というものはない
と明言しておきます。
というかこの2つ同じ主張でも別のデマですね
- 年間300匹捕獲×10年だから3,000匹殺処分計画だ
- 野良猫や外飼いネコも山に入るかもしれない!山にいる猫の数も大きく変わるはずだから3,000匹殺処分されるのはありえるから3,000匹殺処分計画だ!
一見同じように見えるデマですが、そもそもが根拠が違いますので別のデマです。
①年間300匹捕獲×10年=3,000匹殺処分計画だ
まずこちら、もはや耳タコですが。
確かに2018年、奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画が始まった年に「2018年度は月間30匹、計270匹の捕獲を計画している。」という報道があったのは事実です。
環境省は17日、奄美大島で希少な野生生物を襲って生態系を脅かす野生化した猫(ノネコ)の捕獲を開始する。同島の山中に生け捕り用のかごわな100基を設置し、捕獲した猫は奄美ノネコセンター(奄美市名瀬)に一時収容する。2018年度は月間30匹、計270匹の捕獲を計画している。同省奄美自然保護官事務所は「ノネコの捕獲とモニタリングを的確に進め、島の素晴らしい生態系の回復に努めたい」としている。
また、「年300匹以上捕獲する必要がある」と環境省の方が言ったとの記事もありましたので、こちらに10年かけたのかもしれませんが
環境省の番匠克二・希少種保全推進室長は「年300匹以上捕獲する必要があるが、人慣れしていないので多数のもらい手が現れるという希望は持ちにくい」という。
しかし役所に確認した限り、奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画は現在、捕獲目標頭数を定めていないんですよ。
なので300匹×10年=3,000匹は明らかに誤りです。
(捕獲目標定めてない旨が書いてある記事もあったんですけどなくしました。)
というか4年目、3年はたっているのに3,000匹から頭数が引かれないのはおかしい
もし300×10年をして3,000匹を導き出し、それをとてもピュアな心で信じているのだとしても4年目の今、引き算されないのはどう考えてもおかしいです。
奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画は4年目ですが安楽殺になったノネコはいません。
なのでもう過ぎた3年分、300×3年=900匹のノネコの数が引かれてないとおかしいんですよね。
けれどもいつまでも叫ばれる3,000匹。最近では3,600匹に増えてもいましたが。
もししっかりとした信念をもって叫ばれている3,000匹なのであれば、ここらへんもしっかりしてほしいと思います。
②野良猫や外飼いネコを合わせて3,000匹いくかも
まず外飼いネコであれ飼い猫とわかれば返されますので、安楽殺になるノネコとして捕獲された猫がこれから出るにしても飼い猫は返されます。
しっかり飼い主が届け出を出してマイクロチップ入れてたり首輪つけさせていたりしたら大丈夫です。
現に飼い猫が捕獲されていますが飼い主へと返還されておりますので、飼い猫捕獲などについてはそこまで不安にならなくても良いのではないでしょうか。
そして野良猫。
確かに野良猫の数をノネコに合わせたら3,000匹どころじゃないですが、しかし野良猫を合わせたら3,000匹以上行くのに何故あえて3,000匹という数字にこだわるのでしょうか?
例えば捕獲されたノネコの何割が耳カットされた猫だから3,000匹になったとかそういう計算があるならわかるんですよ。
野良猫の寿命はこれくらいだから、今奄美にいる野良猫の推移をみると3,000匹くらいになるんだよねとかね、そういう計算があるなら「なるほどな、ちゃんと考えられた主張だし、根拠としてはアリかもな」と思わなくもないかもしれません。
しかし、なんとなくふんわりと野良猫も外飼いネコもいるから3,000匹ありえるじゃん!なんて主張されてもこちらとしては「はい?」と戸惑うしかないわけで。
とりあえず主張するなら面倒くさがらないで計算とかしてみるところから始めたらいいんじゃないですかと思います💦
そもそも殺処分計画じゃないからね
そもそもが殺処分計画じゃないんですよね。
だってメインは「奄美大島における生態系保全」なのですから、安楽殺の項目があったとしてもそれがメインじゃないです。
猫を対象にしているけれども猫メインじゃないことをしっかり知ってもらいたいですね。
それに安楽殺にされたくない場合、どうしたらいいかも奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画には記されています。
飼養を希望する者への譲渡に努め、譲渡できなかった個体は、できる限り苦痛を与えない方法を用いて安楽死させることとする。
飼養を希望する者への譲渡に努めってはっきりと書かれていますね。
つまり何が何でも安楽殺するというわけではなく、飼養を希望する者さえ見つかれば譲渡するよと言う事ですから、署名や反対ツイートや投稿を繰り返しても割と時間の無駄です。
シェアするなら譲渡者募集ページですよ!
→奄美大島における生態系保全のため捕獲したノネコ譲渡希望者の募集について
安楽殺を回避するための新たな条件を開拓するよりも、既にある条件を満たすほうがはるかに簡単です。
捕獲域も広がりノネコの捕獲数も増えてきておりますので、なおさら譲渡者になることについてやページのシェアをよろしくお願いします!