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奄美大島のノネコ問題 講演などのレポや感想

【レポ】令和2年度奄美大島における生態系保全のためのノネコ捕獲等に係る検討会に行ったので覚えている分だけダダダッと書きます

【レポ】令和2年度奄美大島における生態系保全のためのノネコ捕獲等に係る検討会に行ったので覚えている分だけダダダッと書きます

令和2年度奄美大島における生態系保全のためのノネコ捕獲等に係る検討会がありましたので傍聴して参りました。

今回はコロナの影響でか事前募集をしての検討会でした!ちゃんとコロナ対策してる!

一部ZOOM参加(?)で、なおかつみんなマスクしていてそこが大変良かったです。

フェイスシールドとかマウスシールドの人とかいなかった。とてもいいことですね。

ただ今回聞き取る私の耳が下手で全部聞き取れませんでした!なので今回のレポは前回よりも簡単な感じになりそうです。

覚えているだけ聞こえただけのレポ~です!

2019年の検討会レポ

「令和元年度奄美大島における生態系保全のためのノネコ捕獲等に係る検討会」に行ったのでレポる
【レポ】ノネコ捕獲等に係る検討会に行ったので感想とか内容を覚えている分だけ書いてみる

会場があった文化センターは工事中でした   令和元年12月24日火曜日、13時半~15時まで奄美文化センターにて「令和元年度奄美大島における生態系保全のためのノネコ捕獲等に係る検討会」(名前 ...

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令和2年度奄美大島における生態系保全のためのノネコ捕獲等に係る検討会の流れ

会は以下の流れで進行されました。

 

  1. 開会
  2. 環境省挨拶
  3. 出席者紹介
  4. 議事
    ①ノネコ捕獲作業の状況について
     ②混獲状況及び対策について
     ③在来種モニタリング状況について
     ④発生源対策との連携について
     ⑤今後の方針について
     ⑥その他
  5. 閉会

 

この記事で触れるのは4.議事の①~⑤ですね。

⑥はなかったような?結構時間が押してたのではぶかれたのかもしれませんね!仕方ない!濃ゆい内容でしたから、1時間半の予定だったけどそもそも短すぎたんですよね。

予定時間が短かったのもコロナ対策の一環だったのかな……?

3時間くらい欲しかったかな。

でも忙しい中集まっているでしょうから、1時間半が限度だった可能性もありますね。

まあそんなことはいい!ダダダっと書いていきますよ!

 

①ノネコの捕獲作業及びモニタリング

資料の説明

ノネコの捕獲作業及びモニタリングの方法 捕獲作業体制について

  • 捕獲作業は2018年7月18日16㎢、3名で開始
  • これまで4度の作業体制を拡充
  • 令和2年度4月から捕獲作業1の約16㎢、捕獲作業地域2の約16㎢、捕獲作業地域3の約55㎢で捕獲開始、7月に捕獲作業地域4の約16㎢を加え8人の作業員の体制で作業をしている
  • 毎月の作業内容は1週目~3週目まで捕獲作業、4週目でモニタリングデータの回収と整理

 

・捕獲作業体制の拡充状況 作業員と全作業エリア、わなの数

  作業員 全作業エリア わなの数
2018年7月~ 3名 1エリア
16㎢
150基
2019年1月~ 4名 2エリア
32㎢
200基
2019年5月~ 6名 3エリア
87㎢
300基
2019年10月~ 7名 3エリア
87㎢
400基
2020年7月~ 8名 4エリア
103㎢
450基

 

・捕獲作業体制の拡充状況 モニタリングの期間の間隔・モニタリングカメラ台数・捕獲作業日

  モニタリング期間の間隔 モニタリングカメラ台数 捕獲作業日
2018年7月~ 3週間に1度 45台 原則月~金の週5日
2019年1月~ 4週間に1度 50台 一部土日を含む
週5~7日
2019年5月~ 4週間に1度 約100台 一部土日を含む
週5~7日
2019年10月~ 4週間に1度 約100台 一部土日を含む
週5~7日
2020年7月~ 4週間に1度 約120台 一部土日を含む
週5~7日

 

捕獲作業の方法
  • 1㎢あたり800わな日を目標
  • 捕獲作業地域1~4で実施
  • 捕獲作業地域外で目撃情報があった場合は作業地域の作業に支障がでない形でのピンポイント捕獲作業を実施していたが、作業方針の見直しで2020年11月以降はピンポイント作業はしていない

 

モニタリングの方法

モニタリングの目的:

ノネコの生息状況の把握、識別した個体が捕獲されているか評価するための自動撮影カメラによるモニタリング

 

①個体識別による捕獲作業地域におけるノネコの生息状況の把握
シロ
どのノネコがどこで暮らしているかな~を調査
時期 カメラの数
2018年4月~11月 捕獲作業地域1に28台
捕獲作業地域2に24台
2019年5月以降 捕獲作業地域3に55台
2020年7月以降 捕獲作業地域4に22台
2020年11月現在 捕獲作業地域1に19台
捕獲作業地域2に22台
捕獲作業地域3に52台
捕獲作業地域4に22台
  • カメラの画像データは約1カ月に1度の頻度で回収、月ごとに集計(第4週目の作業)
  • ノネコの模様、毛の色、体サイズ、撮影地点、場所を総合的に判断し個体を識別
  • 生息状況の評価なので同一カメラで同じノネコが同じ日に何度も撮影されても1枚の撮影として集計、識別撮影率を算出
  • 撮影率は撮影枚数をカメラ日で除し、1,000をかけた数値

 

②個体識別によるノネコの動態の把握
シロ
ノネコの移り変わりなど
  • 個体識別結果からノネコの動態を把握
  • 捕獲作業地域の識別個体数・捕獲個体数を月と半年別で集計
  • 推移で生息状況の変化をみた
  • 月ごとの識別個体を新規確認個体数と既知個体に分類(新しいノネコと以前も見かけたノネコとで分ける)
  • 新規確認個体と既知個体の撮影状況や捕獲にかかる期間の違いを明らかにするために、識別個体が確認されなくなるまでの期間と捕獲個体が識別されてから捕獲されるまでの期間を調べ、30日区分で個体数の集計・分析をした

 

③林内の生息状況の把握の検討
  • ノネコ管理計画で設置されたカメラ(以下ノネコカメラ)は林道沿いが多いのでマングーす防除事業で使われているカメラ(以下マングースカメラ)も使うことにした
  • マングース防除事業ではノネコ個体識別をしていないので、同じカメラで同じノネコが同じ日に何度も撮影されてもすべての枚数を撮影枚数としている(総撮影率)
  • マングースカメラの設置距離(林道からの距離)でも撮影率に違いがある可能性があるので林道からの距離と撮影率の関係についても解析した

 

捕獲作業及びモニタリング結果

補足:CPUEとは?

参考CPUE|水産資源学基礎|Logics of blue

↑の記事を読んでも正直理解しきれなかったけれど、ようはその地域にどれだけの数いるかみたいなのを出すのがCPUEなのかな。とふんわり理解しました。あっているのだろうか。いつもいつも調べては理解できず忘れます。;;

ーーー

詳しい方に聞いてみましたところ、CPUEは傾向を見る数値とのことです!この場合数値が低くなるとノネコの数が減っている(=捕獲で減っているとは限らないので注意して分析すること)ということになります。

捕獲数÷罠日×1,000=CPUEの1,000はマングースの防除事業でも1,000をかけCPUEを求めていることから便宜上のものであるのではないかということでした!(今度実際に確認します)

 

捕獲作業の結果 捕獲作業地域全域の作業結果
  • CPUEは捕獲数をわな日で除し(割り算)1,000をかけた数値(捕獲数÷罠日×1,000=CPUE)
  • 捕獲作業開始の2018年7月~2020年11月末まで120,350わな日の捕獲努力量で126個体を捕獲、CPUEは1.05
  • 捕獲作業地域全体の作業結果をみると2018年は16,480わな日、35個体捕獲でCPUE2.12
  • 2019年度は59,301わな日、80個体捕獲、CPUE1.35
  • 2020年度は44,569わな日11個体捕獲でCPUE0.25
  • ↑CPUEは減少傾向

 

【2018】捕獲作業地域全域における月別作業結果

  わな日 捕獲数 CPUE
7月
作業地域1開始
745 2 2.68
8月 1,093 6 5.49
9月 972 1 1.03
10月 801 4 4.99
11月 1,513 2 1.32
12月 956 1 1.05
1月
作業地域2開始
3,203 8 2.50
2月 3,626 6 1.65
3月 3,571 5 1.40
合計 16,480 35 2.12

 

【2019】捕獲作業地域全域における月別作業結果

  わな日 捕獲数 CPUE
4月 3,722 3 0.81
5月
作業地域3開始
4,588 16 3.49
6月 5,833 6 1.03
7月 6,276 5 0.80
8月 4,018 2 0.50
9月 4,533 3 0.66
10月 5,661 9 1.59
11月 4,251 9 2.12
12月 5,624 9 1.60
1月 4,946 5 1.01
2月 6,801 9 1.32
3月 3,048 4 1.31
合計 59,301 80 1.35

 

【2020】捕獲作業地域全域における月別作業結果

  わな日 捕獲数 CPUE
4月 5,351 1 0.19
5月 6,507 1 0.15
6月 6,583 1 0.15
7月
作業地域4開始
5,931 1 0.17
8月 5,765 1 0.17
9月 3,738 0 0.00
10月 6,049 5 0.83
11月 4,645 1 0.22
合計 44.569 11 0.25
全期間合計 120,350 126 1.05

 

捕獲作業地域ごとの作業結果(↑は全域こっちは各地域みたいな)
○捕獲作業地域1
  • 2年5か月間捕獲作業を実施
  • これまで30,652わな日の捕獲努力量をかけてえ44個体が捕獲された
  • 期間全体のCPUEは1.44
  • 捕獲開始からみると各月のCPUEは減少傾向
  • 開始直後をのぞいて2018年度、2019年度ともに秋期に高値となる(2020年は減少傾向)
  • 2020年度は3個体捕獲でCPUEは0.36になった

 

○捕獲作業地域2
  • 1年11か月間作業を実施
  • これまで25,051わな日の努力量をかけ、26個体が捕獲
  • 作業期間全体のCPUEは1.04
  • 各月のCPUEは作業開始以降2019年5月~7月と10~12月に高値になったが、それ以降は減少
  • 2020年3月~10月の間は捕獲が0
  • 2020年度は1個体を捕獲し、CPUEは0.12になる

 

○捕獲作業地域3
  • 1年7カ月の作業を実施
  • これまで60,369わな日の努力量をかけ50個体が捕獲された
  • 作業期間全体を通したCPUEは0.83
  • 各月のCPUEは作業開始以降減少していたが2019年10月~2020年3月にかけ高値が続く(その後は低値)
  • 2020年度は3個体を捕獲、CPUEは0.12
  • 昨年と比較すると低い結果

 

○捕獲作業地域4
  • 5か月間の作業を実施
  • これまで3,785わな日の努力量、4個体が捕獲された
  • 作業期間全体を通したCPUEは1.06
  • 捕獲のあった月のCPUEは2.46と2.76で他の作業地域よりも高値

 

○捕獲作業地域1~3における半年ごとのCPUEの変遷
  • 1年間以上捕獲作業を続けている捕獲作業地域1~3における捕獲状況の傾向を把握するため半年ごとにCPUEを集計
  • 全体的に減少傾向にある
  • いずれの地域も捕獲作業の経過とともにCPUEが減少

 

○捕獲作業地域1~3における累積わな日と累積捕獲数の関係
  • 捕獲作業地域ごとに捕獲は続いているもの、一定のわな日捕獲数の伸びがゆるやかになる傾向
  • 捕獲作業地域1では約23,000わな日、地域2では約16,000わな日、地域3では約35,000わな日で緩やかになる傾向

 

ピンポイント作業の月別作業結果
  • ピンポイント作業は捕獲作業地域外に設置したセンターカメラでのモニタリング、目撃情報などでノネコの情報を得てから捕獲作業をする
  • 2018年8月~2020年10月までに5,752わな日作業をし60個体のノネコを捕獲
  • 全作業期間を通したCPUEは10.43
  • 捕獲作業地域1~4(上で説明したやつ)よりも高値、撮影情報でノネコを効率的に捕獲出来たと考える
  • センサーカメラは一時的に設置されたものなのでモニタリングは継続的ではなく捕獲状況の評価が難しい側面あり
  • そのため、2020年11月に作業方針の見直しをし以後、ピンポイント作業はしていない
  • 2020年度は1,756わな日で7個体を捕獲、CPUEは3.99

 

【2018】ピンポイント作業の月別作業結果

  わな日 捕獲数 CPUE
7月
作業地域1開始
     
8月 463 5 10.80
9月 203 2 9.85
10月 80 0 12.50
11月 174 0 0.00
12月 6 0 0.00
1月
作業地域2開始
     
2月 9 1 111.11
3月 88 0 0.00
合計 1,023 8 7.82

 

【2019】ピンポイント作業の月別作業結果

  わな日 捕獲数 CPUE
4月 126 1 7.94
5月
作業地域3開始
173 5 28.90
6月 82 1 12.20
7月 113 0 0.00
8月 23 1 43.48
9月 113 1 8.85
10月 26 0 0.00
11月 94 5 53.19
12月 692 16 23.12
1月 713 9 12.62
2月 625 5 8.00
3月 193 1 5.18
合計 2,973 45 15.14

 

【2020】ピンポイント作業の月別作業結果

  わな日 捕獲数 CPUE
4月 6 0 0.00
5月 653 1 1.53
6月 487 2 4.11
7月
作業地域4開始
88 1 11.36
8月 187 1 5.35
9月 168 1 5.95
10月 167 1 5.99
合計 1,756 7 3.99
全期間合計 5,752 60 10.43

 

自動カメラによるモニタリング結果 捕獲作業地域におけるノネコの識別撮影率
○捕獲作業地域全体
  • 捕獲作業地域1~4では、143地点に自動撮影カメラを設置
  • 合計68,042.5カメラ日の撮影努力量でノネコが9,488枚撮影された
  • ノネコ識別撮影率は2020年4月~11月で54.7
  • 2020年11月現在119台が設置されている
  • 月ごとで多少の増減があるが全体的に識別撮影率は減少傾向
  • 2018年12月~1月と2019年5月は捕獲作業地域2と3のモニタリング作業開始時期と重なったため高値、それ以外の9月~11月秋季まで識別撮影率がg徐々に下がるも冬季に上がり、春季にまた下がり始める傾向にあり
  • 識別撮影率を年度別でみると2018年度は135.5、2019年度は107.9、今年度は(4月~11月)は54.7
  • 2019年度の同期間と比較すると2019年度は99.1で識別撮影率は減少している

 

【2018】捕獲作業地域ごとの識別撮影率

  作業地域
月と合計 1 2 3 4
4月/231.4 231.4 - - -
5月/157.2 157.2 - - -
6月/94.7 94.7 - - -
7月/186.1 186.1 - - -
8月/187.5 187.5 - - -
9月/127.8 127.8 - - -
10月/84.1 84.1 - - -
11月/17.5 17.5 - - -
12月/178.8 101.2 277.6 - -
1月/213.1 123.9 301.3 - -
2月/95.4 29.3 163.9 - -
3月/63.7 41.9 85.0 - -
合計/135.5 114.9 204.4 - -

 

【2019】捕獲作業地域ごとの識別撮影率

  作業地域
月と合計 1 2 3 4
4月/122.8 59.4 164.9 158.4 -
5月/160.6 75.9 198.0 178.4 -
6月/100.5 15.2 186.9 100.2 -
7月/69.6 38.2 98.4 70.6 -
8月/58.5 18.5 59.7 72.9 -
9月/60.4 10.8 70.9 75.5 -
10月/76.7 35.5 88.8 89.5 -
11月/145.5 130.2 118.4 162.8 -
12月/162.2 198.4 74.5 184.2 -
1月/132,0 71.0 23.0 202.1 -
2月/123.9 294.8 30.0 100.2 -
3月/79.5 98.3 11.2 101.7 -
合計/107.9 86.4 95.4 121.7 -

 

【2020】捕獲作業地域ごとの識別撮影率

  作業地域
月と合計 1 2 3 4
4月/86.1 84.5 50.1 101.4 -
5月/73.6 63.0 96.1 67.9 -
6月/49.2 42.1 25.9 54.3 -
7月/35.9 42.4 23.4 17.2 114.2
8月/41.4 47.9 35.5 22.5 98.4
9月/21.3 4.1 0 10.1 99.1
10月/58.2 62.5 42.8 24.2 148.7
11月/74.9 76.9 69.9 26.4 186.2
合計/54.7 53.4 43.3 41.5 137.9

 

○捕獲作業地域1
  • 2018年7月から捕獲作業開始、2019年0月まで識別撮影率は低値に推移していたが2019年11月以降は高い識別撮影率になり、2020年2月には作業開始最も高い値になる
  • 2019年11月~2020年2月に識別された個体は4~7頭
  • 他期間と比較しても特別多くのノネコが確認されたわけではない
  • 10月以降の高い撮影率は特定の2個体のノネコが連日撮影された結果だと判明
  • 2020年3月から再度減少
  • 9月は識別撮影率が最も低い値になり、10月11月は増加している

 

○捕獲作業地域2
  • 2019年1月の捕獲開始後に全期間通して減少傾向
  • 2020年9月は識別撮影率が初めて0になる

 

○捕獲作業地域3
  • 20219年5月捕獲作業開始から識別撮影率が減少
  • 9月まで低値
  • 10月より再び増加
  • 2020年2月から再び減少
  • 7月から現在まで低い識別撮影率で推移

 

○捕獲作業地域4
  • 2020年7月よりモニタリングを開始した
  • 識別撮影率はやや増加傾向
  • しかし、まだ始めて間もないので何とも言えない

 

個体識別によるノネコの動態
1)識別個体数の変化
  • 捕獲作業地域間で重複して確認された個体も居るので各地域の識別個体数の合計と全体の地域を足した合計は一致しない
  • 捕獲作業地域1~4で2018年4月から2020年11月までで209個体が識別された
  • そのさい、個体識別が困難な黒猫と白猫は除外している(除外された猫に複数個体が含まれている可能性もある)
  • 一度も撮影されていないまま捕獲された個体は識別個体数には含んでいない(捕獲された126個体中44個体)
  • 識別された209個体のうち、作業地域1では27個体、2では22個体、3では33個体の計82体(全識別個体の39.2%)が捕獲された
  • 2019年5月まで識別個体は増加傾向だったが2019年8月にかけて減少
  • 2020年2月まで毎月全体で20~40個体の識別個体が確認された
  • 2020年3月以降は毎月20個体以下で推移
  • 月別の識別個体は2019年5月が54個体で最も多く、2020年4月の13個体が最も少ない
  • 半年ごとでみると、2019年度から2020年度にかけ識別個体数は減少傾向

 

【2018】月ごとのノネコの捕獲数と識別個体数

      捕獲作業地域の識別個体数
  捕獲個体数(全域) 識別個体数(全域) 1 2 3 4
4月 - 16 16 - - -
5月 - 16 16 - - -
6月 - 13 13 - - -
7月
作業地域1開始
2 12 12 - - -
8月 6 13 13 - - -
9月 1 8 8 - - -
10月 4 6 6 - - -
11月 2 6 6 - - -
12月 1 14 6 11 - -
1月
作業地域2開始
8 22 11 15 - -
2月 6 11 4 8 - -
3月 5 12 4 9 - -
合計 35 66 48 24 - -

 

【2019】月ごとのノネコの捕獲数と識別個体数

      捕獲作業地域の識別個体数
  捕獲個体数(全域) 識別個体数(全域) 1 2 3 4
4月 3 27 6 10 15 -
5月
作業地域3開始
16 54 10 19 37 -
6月 6 39 6 12 24 -
7月 5 34 5 12 20 -
8月 2 18 3 6 11 -
9月 3 25 2 10 13 -
10月 9 34 6 14 17 -
11月 9 25 5 9 19 -
12月 9 26 6 10 15 -
1月 5 19 4 6 12 -
2月 9 25 7 5 16 -
3月 4 16 6 3 9 -
合計 80 123 28 49 72 -

 

【2020】月ごとのノネコの捕獲数と識別個体数

      捕獲作業地域の識別個体数
  捕獲個体数(全域) 識別個体数(全域) 1 2 3 4
4月 1 13 6 5 7 -
5月 1 15 3 7 9 -
6月 1 16 4 5 9 2
7月
作業地域4開始
1 16 4 2 7 6
8月 1 14 2 1 7 5
9月 0 16 2 0 5 10
10月 5 18 3 2 6 8
11月 1 17 2 5 7 7
合計 11 44 9 15 17 16

 

半年ごとのノネコの捕獲数と識別個体数

        捕獲作業地域の識別個体数
    捕獲個体数(全域) 識別個体数(全域) 1 2 3 4
2018年度 4-9月 9 32 32 - - -
10-3月 26 40 21 24 - -
2019年度 4-9月 35 83 16 31 50 -
10-3月 45 62 15 28 34 -
2020年度 4-9月 5 37 9 11 13 14
  合計 126 209 76 77 14 16

 

2)識別個体中の新規確認個体と既知個体
  • 識別個体のうち新規個体の割合をみると捕獲開始当初に比べ捕獲が進むにつれ既知個体割合が多くなり、新規確認個体は減少傾向にあることが示唆された

 

【作業地域1】新規確認個体数と既知個体の推移

※こちらは棒グラフで示されていましたが、棒グラフ作るのだるいのでここでは表にまとめることにしました。この記事の全ての数値に言えますが参考程度にとどめてくださいね。

※新規個体数は合計から既知数を抜いた数値を書いています。

年度 新規 既知 合計
2018 7月 2 10 12
8月 3 10 13
9月 3 5 8
10月 4 2 6
11月 2 4 6
12月 2 4 6
1月 4 7 11
2月 1 3 4
3月 2 2 4
4月 1 5 6
5月 6 4 10
2019 
 
 
6月 1 5 6
7月 1 4 5
8月 1 2 3
9月 0 2 2
10月 2 4 6
11月 0 5 5
12月 0 6 6
1月 0 4 4
2月 3 4 7
2020
 
 
3月 3 3 6
4月 1 5 6
5月 0 3 3
6月 2 2 4
7月 0 4 4
8月 0 2 2
9月 1 1 2
10月 0 3 3
11月 0 2 2

 

【作業地域2】新規確認個体数と既知個体の推移

年度 新規 既知 合計
2018 12月 5 4 11
1月 7 8 15
2月 3 5 8
3月 2 7 9
2019 
 
 
4月 4 6 10
5月 9 10 19
6月 1 11 12
7月 3 9 12
8月 0 6 6
9月 3 7 10
10月 5 9 14
11月 0 9 9
12月 5 5 10
1月 3 3 6
2月 2 3 5
3月 1 2 3
2020 4月 1 4 5
5月 1 6 7
6月 1 4 5
7月 0 2 2
8月 0 1 1
9月 0 0 0
10月 0 2 2
11月 3 2 5

 

【作業地域3】新規確認個体数と既知個体の推移

年度 新規 既知 合計
2019 
 
 
4月 13 2 15
5月 17 20 37
6月 5 19 24
7月 4 16 20
8月 4 9 11
9月 2 11 13
10月 6 11 17
11月 2 17 19
12月 3 12 15
1月 0 12 12
2月 4 12 16
3月 1 8 9
2020 4月 0 7 7
5月 2 7 9
6月 2 7 9
7月 0 7 7
8月 0 7 7
9月 0 5 5
10月 1 5 6
11月 0 7 7

 

【作業地域4】新規確認個体数と既知個体の推移

年度 新規 既知 合計
2020 6月 2 0 2
7月 3 3 6
8月 1 4 5
9月 6 4 10
10月 1 7 8
11月 1 6 7

 

3)識別個体が捕獲作業地域で撮影された期間および捕獲までの期間
  • 識別されたノネコが初めて撮影されてから最後に撮影されるまでの日数とその個体数の関係
  • 識別個体209個体のうち30日以内に確認されなくなる個体は114頭
  • 約55%が1カ月以内に撮影されなくなっていた
  • そのうちの36個体は捕獲されたもので、残りの78個体(撮影され識別後、撮影・捕獲されていない個体)は消息不明
  • カメラがない場所や捕獲作業地域外への移動またはその後死亡しているなどが考えられる
  • 区域内で継続的に撮影されながらも未だに捕獲されていない個体もいる
  • 例として2020年11月の全域の識別個体を見ると初めて撮影されてから60日以上経過している個体が9頭、うち2頭は525日、572日と1年半程度徘徊している
  • 捕獲個体82個体のうち30日以内に捕獲された個体は36個体で約45%
  • もっとも長い個体で15カ月

 

林道沿いと林内の総撮影率の比較
○林内と林道の撮影率の比較
  • 捕獲作業地域1~3の林道沿いのノネコカメラと林内のマングースカメラの半年ごとの総撮影枚数を示した
  • 林道と林内の総撮影数を比較すると林道が林内より総撮影率が高いことがわかった
  • しかし林道沿いと林内で総撮影枚数は最小で3.4倍(2018年4-9月)、最大で13.2倍(2020年4-9月)と大きく異なるのでその点に留意が必要

 

【林道沿い】ノネコカメラの総撮影枚数

年度 1 2 3
2018 4-9月 4214.5 - -
10-3月 4148 2495 -
2019 4-9月 3751 3442 8844
10-3月 3783 3940 9549
2020 4-9月 3429 3830 9115

 

【林内】マングースカメラの総撮影枚数

年度 1 2 3
2018 4-9月 477 184 569.5
10-3月 505 179 718
2019 4-9月 455 272 740
10-3月 292 163 815
2020 4-9月 458 76 707

 

○林内の撮影率の変化
  • 捕獲作業地域ごとに見ると捕獲作業地域1と3においては捕獲作業開始前からノネコの総撮影率が低い、開始後も低い幅で増減を繰り返している
  • 捕獲作業2では作業開始前は総撮影率が高かったが、2019年1月以降の作業開始後は減少、同年4月以降は撮影が見られていない

 

○マングースカメラの林道からの距離による林内の撮影率の違い
  • マングースカメラの設置場所による総撮影率の違いを把握するためマングースカメラの林道からの距離と2018年4月から2020年9月までの通算の総撮影率を示す
  • 林道に近いカメラの方が総撮影率が高い傾向
  • 作業地域2の高い撮影率を記録したカメラも林道から100m以内に設置されたもの
  • 今後はマングースカメラの利用についても林道からの距離について注意して用いる

 

マング-スカメラの林道からの距離とノネコの総撮影率

    カメラ日 のべカメラ台数 ノネコ撮影数 総撮影率
林道からの距離 1-100 13078.5 13 400 30.58
101-200 4867 6 60 12.33
201-300 845 5 5 5.92
301-400 1031 4 20 19.40
401-500 742.5 5 1 1.35
501- 3446.5 5 16 4.64

 

その他

捕獲個体の識別個体
  • 捕獲作業エリア内で2018年7月~2020年11月までに捕獲されたノネコ126個体のうち捕獲前にモニタリングで識別されていた個体は82個体
  • 識別されないで捕獲されたノネコは44個体
  • 総識別個体は209個体
  • 識別個体の約39%のノネコが捕獲されている

 

捕獲個体の識別個体割合

  捕獲個体数 識別個体数 識別個体の割合
2018年度 35 25 71%
2019年度 80 51 63%
2020年度 11 6 55%
合計 126 82 65%

 

カゴわなで捕獲されたTNR個体について
  • ピンポイント作業によって捕獲された個体も含む
  • 2018年7月~2020年11月までの捕獲作業で捕獲された186個体のうち35個体(約19%)がTNR個体であった

 

捕獲個体におけるTNR個体の割合

  捕獲個体数 TNR個体数 TNR個体の割合
2018年度 43 6 14%
2019年度 125 25 20%
2020年度 18 4 22%
合計 186 35 19%

 

まとめ

  • 2018年7月~2020年11月までの捕獲作業で186頭を捕獲
  • 作業地域1~4でのべ120,350わな日(ピンポイント作業のぞく)の捕獲努力量で126個体のノネコを捕獲
  • 今年度は作業地域4をのぞき捕獲数は下げ止まっている
  • 作業地域1~3は季節性などの変動はあるがCPUEは減少傾向
  • 識別撮影率、識別個体数、新規個体数も同じように減少傾向がみられているので捕獲作業の効果が認められる
  • 識別撮影率は減少傾向はあるがトラップシャイ個体が連日撮影されることで識別撮影率の増加が懸念されている
  • ゆえに、この情報のみでのノネコ生息状況(密度など)の判断は難しい(識別個体数・新規個体数の変動と合わせ総合的に判断)
  • 新規確認個体数は減少傾向
  • 新規個体が侵入しても比較的すぐに捕獲することができていると想定
  • 一方で高い捕獲圧をかけても捕獲されないトラップシャイも確認されている
  • 少数個体が残っている地域での高い捕獲圧は非効率、このような地域はどのようにするか議論が必要

 

質問タイム

実はここら辺が一番聞き取れなかったので申し訳ない。

感想

  • 成果が出てきたなと思う
  • データもきっちりしていて対策をとっているし評価しやすい
  • 場所によって捕獲のやり方を変えるのも重要
  • 今年度は捕獲が少ないが、それでも罠をかけつづけてるからこそ減っている
  • カメラで初めてうつる個体が減っているが新規個体というだけなので1~2カ月とかでまた見た方が良い
  • 捕獲されるよりも野外で死んでいる猫が多いのではないか、データを照合してここらへんも詳しく知りたいところだ
  • どれくらい入ってどれくらい死んで捕獲されているのか整理したいところだ

 

質問

Q TNRの際の台帳があると思うが、識別でTNR個体の照合などはされているか
A 瀬戸内町のデータが少ないが、それ以外の台帳はある
そのうえで照合し、35体のTNR個体も一致個体である

Q わなにいたずらする人はいるのか
A 山の中の作業なのでないと思う(島民からのいたずらはない)

Q 確認個体はそこで生まれた子猫などは区別できるのか?繁殖によって増えた時期などあるか
A 感覚としてはない

 

私の感想

  • 捕獲されるよりも野外で死んでいる猫が多いのではないか

という話が質問時間で出た時にハッとしました。2020年度は特に捕獲された猫が少なくツイッターなどでもそのことについて話されたりもしましたが、データを見る通り全識別個体の39.2%、約40%が捕獲されている中であとの60%は……?という話なんですよね。

「TNRで解決します!」

という人もいますが、確かに識別個体209個体のうち30日以内に確認されなくなる個体が114頭いるのでTNRでもいずれはいなくなるのかもしれません。

しかしそれは猫が幸せになったというよりも、猫が長く生きられなかった結果でしかないなら、それを解決と言って良いのか疑問に思います。

今捕獲されている猫は山で死ぬか死なないかのところだった猫であり、これからのんびりと過ごす場所が見つかるかもしれない猫ですから、やはりそれならば捕獲して譲渡できる方が良いに決まっているよなあ、と気持ちがまたかたまった時間となりました。

ピンポイント捕獲についてはこれだけ捕獲できるなら続ければいいのにと最初は思っていたのですが、データを取りづらいからこそやめたという話があったところで「このノネコ管理計画は奄美だけのものではなくて、今後にも繋がるデータと結果を残す計画なんだ」と理解できました。

何よりもこれだけのデータをとって分析していることに驚きました。

 

②混獲状況および対策

資料の説明

混獲状況について

2018年7月から2020年11月までカゴわなで混獲された13種↓

  • アマミトゲネズミ
  • アマミノクロウサギ
  • ノイヌ
  • リュウキュウイノシシ
  • オットンガエル
  • ハシブトガラス(以下カラス)
  • クマネズミ
  • ケナガネズミ
  • サシバ
  • シロハラ
  • ニワトリ
  • ハブ
  • ルリカケス

 

  • 今回は今年度(2020)混獲された7種(↑オレンジ色の文字にした種)を対象に捕獲作業地域全域におけるカゴわなによる混獲数をまとめた
  • 混獲後の対応は生きていれば健康を確認後放逐、死体であれば混獲致死報告書として記録を残す

 

カゴわなによる混獲数

スマホの人は見づらいと思うんだ。ごめんね。

※()はアマミトゲネズミの混獲が多い地域の混獲数

💓・・・混獲の多い地域にてアマミトゲネズミの混獲対策の実施が始まった月、それ以降は混獲対策をされている

年度 アマミトゲネズミ アマミノクロウサギ オットンガエル ハシブトガラス クマネズミ ケナガネズミ ハブ わな日
2018 7月
作業地域1開始
0 0 0 0 0 0 0 745
8月 0 0 0 32 2 0 0 1,556
9月 0 0 0 4 0 0 0 1,174
10月 0 0 0 18 0 0 0 881
11月 0 0 0 13 0 0 0 1,687
12月 0 0 0 2 0 0 0 962
1月
作業地域2開始
0 0 0 27 0 1 0 3,203
2月 0 0 0 16 2 2 0 3,635
3月 1 0 0 35 11 0 0 3,659
2019 4月 1 0 0 38 13 0 0 3,848
5月
作業地域3開始
31(31) 0 0 16 7 1 0 4,761
6月 76(73) 0 0 41 24 2 0 5,915
7月 41(40) 0 2 95 23 1 0 6,389
8月 25(25) 0 1 74 13 0 0 4,041
9月 27(27) 0 0 44 8 0 0 4,646
10月 7(7) 0 0 40 4 0 1 5,687
11月 10(8) 0 0 9 6 0 1 4,345
12月 7(2) 2 0 12 10 0 0 6,316
1月
💓
16(6) 1 0 26 15 0 0 5,659
2月 2 2 0 23 11 0 0 7,426
3月 1 0 0 17 13 0 0 3,241
2020 4月 2 0 0 26 7 0 0 5,357
5月 4 0 0 37 15 0 0 7,160
6月 5 0 0 26 4 0 1 7,070
7月
作業地域4開始
3 0 1 10 4 0 1 6,019
8月 2 0 0 8 0 0 0 5,952
9月 0 0 0 5 0 0 0 3,906
10月 0 2 0 1 2 0 0 6,216
11月 0 1 0 1 0 1 0 4,645
  261 8 4 696 194 8 4 126,101

 

混獲対策の実施状況

  • 混獲された13種の中でアマミトゲネズミとカラスは特に多く毎月確認されていた
  • 開始から累計カラスが696回、アマミトゲネズミが261回
  • カラスはかごわなに対する干渉も激しく捕獲効率への影響を軽減するために継続的な対策が必要
  • 希少種のアマミトゲネズミも一部の地域で多く混獲、致死量が増加するおそれがあったので対策を講じる必要があった

 

カラス対策
カゴわな、エサ入れの改良
  • 干渉を防ぐため捕獲開始時はカゴわなにダンパネや寒冷紗を巻いていた
  • ↑しかしカラスの穴あけなどの被害が続いたので現在はカラスがつついても破れにくい素材(ガルバリウム鉄板やゴムマット、UVシートなど)を巻く対策をしている
  • 更に入れたエサをかごわなの床におくとカラスに外に出される被害があったので、対策としてフック式のエサカゴまたは吊り下げ式のエサカゴで対策している
  • メッシュカゴに蓋をつけてカラスやネズミ類などによるエサ取りも防止中

 

カラスの混獲対策
  • アライグマ専用わな(ラクーンキューブ)を改良した筒形トリガーカゴわなを導入
  • 2020年6月からカラスの混獲が多い場所で4台設置中
  • 設置個所でのカラスの混獲は今のところない
  • しかしまだ設置期間が短いので、効果については今後検証が必要

 

カラスの対策まとめ
  • 現在はカラスによるわなへの干渉が減っている
  • 混獲数は開始当初より減少傾向にあるが、2020年度も一定数の混獲がおきているので今後も対策を考えていく

 

アマミトゲネズミ対策
アマミトゲネズミへの混獲対策
  • アマミトゲネズミの混獲は特定の地域に集中している
  • 2020年11月までで同地域で219頭(全体の8割)が混獲された
  • そのうち217頭は健康状態を確認したうえでその場で放逐
  • しかし2頭はすでに死亡した状態だった
  • 混獲致死対策として、当該地域では混獲されてもカゴわなから脱出できるように後方部にアマミトゲネズミが出入りできる大きさの穴(約5cm四方)を開けたカゴわなを設置した

 

アマミトゲネズミへの混獲対策の結果
  • 混獲対策を施したカゴわなを設置した地域では、通常のカゴわなで2019年4月~2020年1月15日までの作業で219頭の混獲があったが、対策してからの2020年1月1日から2020年11月末までの作業で混獲は0頭になった
  • ノネコへの影響は、対策前だと捕獲が1頭、CPUEが0.23だったのに対し対策後は捕獲が3頭、CPUEも0.54だったので負の影響はないとみられる
  • 穴からの出入りが簡単になったので、アマミトゲネズミやクマネズミにわなを空打ちされたりエサを先に食べられることが想定されたので空打ち率も計算したところ対策前が0.6%(29/4346)、対策後0.6%(36/5556)とほぼ変わらなかった
  • エサを先に食べられないように釣りで使うステンレスのカゴ(吊り下げ式メッシュカゴ)にエサを入れて対策している
  • エサの干渉はネズミ類よりクロスズメバチなどの昆虫類によるものが多い可能性も考えられる
  • 以上の結果から、カゴわなへ穴をあける対策はアマミトゲネズミ混獲対策として非常に効果的と考えられる
シロ
アマミトゲネズミかしこーーーーーーい!!!!!

 

質問タイム

質問

Q トゲネズミ混獲対策がうまくいってよかったが、入って空打ちしてしまうのはジレンマ、この対策はあるのか
A 空打ちに対してはカラスの空打ちが多い
罠に近づけさせない意識、みにくくする・破れにくい素材などでつついても意味がない、諦めさせるなどの対策をとっている
これ以上も必要だと思っているので今後の課題

トゲネズミの空打ちは穴をあけた前後変わらないので対策は必要ないかと考えている

Q カラス対策で混獲が減ったという事で良い?
A いつから始めたかなど明確ではないが、そのようなかんじ

Q カラスの混獲がないのはいいが、ノネコ捕獲に影響はあるのか?
A ラクーンキューブがノネコへ有効かなど今後効果を検証する

 

私の感想

カラス、賢いからこそやはり戦いが終わらない感じありますね。

しかし諦めさせる方法は中々いいなとも思いました。

2019年にあった検討会では「カラス対策として罠の位置をたびたびかえる」という案もありましたけど、しかし人員が少ないのと範囲が広いのとで難しいんだろうな、とも思っていました。

諦めさせる方法でいけそうなら、この方法でなんとかなってほしいところです。

しかし餌を外に出しちゃうあたり、想像すると可愛いのですが厄介ですね。

アマミトゲネズミは穴から上手に出ているようで安心しました。

籠の中に迷い込んでもしっかり穴を見つけて出ていくアマミトゲネズミ、可愛すぎるしほっとしています。

 

③在来種のモニタリング状況

資料の説明

  • ノネコ捕獲事業による在来種の確認の把握
  • 自動撮影カメラの撮影率とアマミノクロウサギ糞塊調査を用い在来種のモニタリングを実施

 

自動撮影カメラによるモニタリング

自動撮影カメラによるモニタリング方法

ノネコを捕獲して在来種へ影響があるかを把握するために自動撮影カメラで在来種のモニタリングをした。

モニタリングの対象5種↓

  1. アマミトゲネズミ
  2. ケナガネズミ
  3. アマミノクロウサギ
  4. アマミヤマシギ
  5. オオトラツグミ
  • モニタリングで使用したカメラはノネコのモニタリングで用いたものと同じ(上でお話したノネコカメラ)で、設置期間や台数も同等(現在約120台と資料①に記載)
  • 画像データの回収は約1カ月に1度の頻度
  • 捕獲作業地域ごとに在来種の撮影枚数をとりまとめた
  • 種ごとに撮影率を算出
  • 捕獲作業の効果を検証
  • 撮影率は、その日稼働していたすべてのカメラの撮影枚数の合計をカメラ日で除し1,000をかける(撮影枚数÷カメラ日×1,000)

 

マングース防除事業カメラデータを利用したモニタリング
①林内の在来種撮影状況と林道沿いとの総撮影率の比較
  • ノネコカメラは林道沿いなので林内の在来種生息状況もみるためにマングース防除事業のカメラ(マングースカメラ)を用いノネコ捕獲事業が在来種生息状況に影響があるか検証
  • 2018年4月~2020年9月までの期間で捕獲作業地域1ではのべ9台、作業地域2では3台、作業地域2では14台、作業地域4では13台
  • ノネコカメラとマングースカメラの総撮影率の比較も行った

 

ノネコカメラによる林道沿いモニタリング結果
①捕獲作業地域ごとの総撮影率
  • 捕獲作業地域1~4でのべ143地点に自動撮影カメラを設置
  • 合計68,042.5カメラ日の作業

 

・総撮影枚数

総撮影枚数
アマミトゲネズミ 989枚
ケナガネズミ 109枚
アマミノクロウサギ 18,563枚
アマミヤマシギ 2,831枚
オオトラツグミ 644枚

 

【2018】捕獲作業地域ごとのカメラ日

  捕獲作業地域  
1 2 3 4 合計
4月 631 - - - 631
5月 636 - - - 636
6月 750 - - - 750
7月
作業地域1開始
741.5 - - - 741.5
8月 736 - - - 736
9月 720 - - - 720
10月 761 - - - 761
11月 742 - - - 742
12月 692 544 - - 1,236
1月
作業地域2開始
670 677 - - 1,347
2月 614 592 - - 1,206
3月 669 682 - - 1,351
合計 8,363 2,495 - - 10,858

 

【2019】捕獲作業地域ごとのカメラ日

  捕獲作業地域  
1 2 3 4 合計
4月 606 655 303 - 1,564
5月
作業地域3開始
659 697 1,676 - 3,032
6月 660 658 1,826 - 3,144
7月 680 671 1,898 - 3,249
8月 593 352 1,604 - 2,549
9月 553 409 1,537 - 2,499
10月 648 552 1,565 - 2,765
11月 630 642 1,560 - 2,832
12月 640 671 1,612 - 2,923
1月 634 695 1,633 - 2,962
2月 580 667 1,537 - 2,784
3月 651 713 1,642 - 3,006
合計 7,534 7,382 18,393 - 33,309

 

【2020】捕獲作業地域ごとのカメラ日

  捕獲作業地域  
1 2 3 4 合計
4月 592 639 1,568 - 2,799
5月 603 697 1,606 - 2,906
6月 618 618 1,509 - 2,745
7月
作業地域4開始
590 684 1,573 438 3,285
8月 543 620 1,467 488 3,118
9月 483 572 1,392 464 2,911
10月 512 538 1,446 612 3,108
11月 481 501 1,399 623 3,004
合計 4,422 4,869 11,960 2,625 23,876

 

各種とも季節変動が多少なりとも認められる

 

・アマミトゲネズミ

  • アマミトゲネズミは捕獲作業1では撮影がなかった、作業地域2では開始から2020年2月までほとんど撮影がなかったが、その後は現在までわずかにだが撮影されている
  • 作業地域3は作業前からアマミトゲネズミの生息数が多く、捕獲に対する効果がわかりにくいと推測された
  • 原因は不明だが2020年5月からは総撮影率が低値
  • 年度ごとの総撮影率に一定の傾向はみられない

 

・ケナガネズミ

  • 捕獲作業地域では撮影なし
  • 作業地域2では2020年2月に総撮影率が突出して高いが、他の月は特に一定の傾向はみられない
  • 作業地域3では2020年1月~4月までそれ以前より総撮影率が高い
  • 2020年11月が最も高い値
  • アマミトゲネズミと同様、年度ごとの総撮影率に一定の傾向はみられない

 

・アマミノクロウサギ

  • 各地域共通して毎年5月~7月に総撮影率が低下
  • 9月ごろから増加
  • 11月~1月に総撮影率のピークを迎える傾向がある
  • 作業地域1では捕獲開始後の総撮影率をみると、開始前よりも全体的に高い傾向が見られた
  • 作業地域2では捕獲作業開始より増減を繰り返していたが2020年8月~11月にかけて急激に値が高くなった
  • 作業地域3でも同様に2020年11月に最も高い値を示した

 

・アマミヤマシギ

  • 捕獲作業地域3で2020年3月に最大値を示した
  • 他の作業地域はあまり増減が見られず

 

・オオトラツグミ

  • 各地域共通して1月~3月に総撮影率が0に近くなる傾向
  • 総撮影率は作業地域1をのぞいた他地域で作業開始後の増加傾向が見られた
  • 年度ごとの撮影率も同様の傾向
  • 同種は林道などの道路に下りてくることが少なく、偶然によって大きく数字が左右されることが予想される

※わたりのトラツグミが含まれている可能性も考えること

 

②マングース防除事業カメラデータをを利用したモニタリング

○林内の在来種撮影状況と林道沿いとの総撮影率の比較

  • いずれの種も林内における総撮影率の方が林道沿いよりも高い
  • 林内のアマミトゲネズミは作業地域2で捕獲作業開始の2019年に増加したが2020年度で減少、作業地域4では捕獲開始後の2020年度に増加した
  • ケナガネズミは全体を通して捕獲開始後の増加はみられなかった
  • 2020年度はすべての捕獲作業地域で非常に低い値を示しているが、2019年秋のシイの実の不作などが関係している可能性がある
  • 林内のアマミノクロウサギはそれぞれの捕獲作業地域で増加していた
  • 林内のアマミヤマシギは捕獲作業地域2を除いて捕獲開始後に増加していた
  • 林内のオオトラツグミは捕獲作業地域2を除いて捕獲開始後に増加していた
  • 今後も捕獲事業開始前のデータと比較してノネコ捕獲による在来種の回復を調べるためにマングースカメラの活用も検討していきたい

 

アマミノクロウサギ糞塊調査

アマミノクロウサギ糞塊調査の方法
  • 捕獲作業地域におけるアマミノクロウサギの糞の増減をモニタリングしてノネコ捕獲によるアマミノクロウサギの生息状況の変化を把握することが目的
  • 2019年度から実施している調査だが、調査方法にばらつきがあったのでより定性的にモニタリングするため今年度より調査方法を変更

 

a)2019年4月~2020年3月までの調査方法

  • 1週間に1度の頻度、わな点検作業中に行う
  • 調査ルートは設定せずにわなからわなまでの移動中、わな周辺の約5メートルの範囲を探索
  • アマミノクロウサギの糞塊を発見した際に糞塊数を記録し、わな地点ごとに集計

 

b)2020年4月~の調査方法

  • 捕獲作業地域1~4内の調査ルートのべ9本設定
  • 1カ月に1度アマミノクロウサギの糞塊数をカウント
  • 1つのルートは1km、200mごとに5区間にわけ区間ごとに糞塊の数をまとめた
  • 調査ルートはノネコの生息が確認されている
  • アマミノクロウサギの生息状況の回復が見られていない場所、または回復の兆しが見られてきた場所を中心に選定
  • 伐採、大型工事が行われている林道は避けて、調査中に伐採や工事が始まった場合はその旨を記録して長く続く場合はルートの変更を検討
  • カウントする糞塊は形状がはっきり残っていて、干からびていないもの(2~3日以内のもの)とした
  • 同じ場所でも明らかにサイズや色が違う糞塊があった場合は別の糞塊として数えた
  • 糞塊の種類は幼獣糞かそれ以上の成長段階の糞かで区別
  • 幼獣糞は幅が10mm以下かどうかで判断
  • 10mmほどの糞が混在している場合は成獣糞としてカウント

 

アマミノクロウサギ糞塊調査によるモニタリング結果
a)2019年4月~2020年3月
  • ノネコの生息密度が高いと考えられるメッシュでは糞塊の確認数が0に近く、CPUEが低いほど確認できる糞塊数が多い傾向
  • 特にCPUEが3より高いメッシュでは糞塊がほとんど確認できていない
  • アマミノクロウサギの糞塊数は年変動が大きいので、単年度の結果の解釈には注意が必要だがノネコのCPUEと関連がある可能性がある

 

b)2020年4月~
  • それぞれの捕獲作業地域で9月ごろから増加傾向が見られた

 

【2020】捕獲作業地域ごとの1kmあたりのアマミノクロウサギ糞塊数

()は幼獣の糞塊数

  捕獲作業地域
1 2 3 4
4月 1 16 7 23
5月 1 7 6 4
6月 0 4 4 1
7月 0 7(1) 7 2
8月 1 2 11 1
9月 0 9 6 3
10月 3 27 15 4
11月 1 60 7 12(9)
12月 7 57 34 11(1)

 

まとめと今後の方針

自動撮影カメラによるモニタリングまとめ
①捕獲作業地域ごとのモニタリング
  • 季節的な変動が大きくはっきりとした傾向はつかめないが、特にアマミノクロウサギやオオトラツグミで全体的に撮影率が増加していた

 

②林道沿い及び林内での撮影率の比較
  • いずれの種もノネコが捕獲される林道沿いよりも林内での撮影率が高い

 

それぞれある程度の増減の傾向がみられるが、季節的・環境的な変動が大きいと考えられる。

今後も継続してモニタリングし、経年的な変化を把握したい。

 

アマミノクロウサギ糞塊調査によるモニタリングまとめ
  • ノネコのCPUEが高いメッシュではアマミノクロウサギの糞塊数が少なかった
  • CPUEが3以下になると糞塊を確認できる傾向があった
  • ノネコ捕獲の効果を検証するために季節変動も加味し、長期間のモニタリングも必要
  • 今後も同様の方法で継続して作業する

 

質問タイム

感想

  • 月ごとでみた方が良い、在来生物は長い期間見ていくことが必要
  • ノネコとクロウサギの撮影率を比べられる図があるとわかりやすい
  • 猫がいなくなって在来種が回復するにしてもタイムラグがある、マングースの時もタイムラグがあったので、今後も頑張りたい

 

質問

Q 林内林道の比較も月ごとでみるのは可能か
A 月ごとでまとめられるが、マングースカメラはノネコモニタリングで使用しているのできちんと改めてやらないと今すぐには出せない

 

私の感想

ノネコ捕獲で在来種が増えるまでのタイムラグにもばらつきがあると思いますので、今の増減ではっきりと「捕獲したから増えたんだ!」とは言えないとは思いますが、ノネコ捕獲で増えている可能性は高くなってきたとは言えますね。

何よりもノネコの密度が高いエリアではクロウサギの糞がほぼみられなかったというのは衝撃でしたが、CPUEが3以下になることで糞塊が見られるという事ですのでこれからの調査も期待しています。

野生動物の調査って、地道ではてしないイメージです。

よくノネコ管理計画関連で「クロウサギ、増えているからノネコ管理計画はなくても良い!」という声も聞きますが、季節性などを加味しながら年々積み重ねやっと傾向が見えてくるものなんですよね。

何かしらの記事をパッとみて、「増えてるじゃん!」と判断できるようなものじゃあないんだなあとしみじみ思いました。

増えていると断言できるのは増えているという発表があった時ですよね。

私も気を付けたいと思います。

 

④発生源対策との連携

資料の説明

2020年度の取り組み

◇TNRの強化
  • 2019年度より奄美大島ねこ対策協議会としてTNR事業を開始
  • 集落ごとにTNR前後にノラネコの数および不妊去勢手術率をモニタリングにより把握
  • ロードマップに示した重点地区をもとに対象集落を選定、TNR実施
  • ロードマップはコチラ

 

◇市街地ノラネコモニタリングの実施
  • 奄美市において住民参加型のノラネコモニタリングを実施
  • 昨年度とあわせて2集落で実施(今後も地区を増やす)

 

継続事業

◇飼い猫条例(H23試行、H29改正)
  • 実施主体は奄美大島5市町村
  • ・飼い猫の登録、マイクロチップの義務
  • ・多頭飼育の許可制
  • ・室内飼育の努力義務
  • ・飼い猫以外へみだりな餌やりの禁止
  • 条例の適切な運用のため台帳整理を実施

 

◇普及啓発
  • 実施主体は環境省、鹿児島県、奄美大島ねこ対策協議会(5市町村)
  • ・パンフレット、広報誌の活用
  • ・動物愛護週間の実施
  • ・マイクロチップ装着支援モデル事業(H20-H29、R1環境省)
  • ・飼い猫登録数に対するマイクロチップ装着支援(市町村)

 

◇飼い猫不妊去勢事業
  • 実施主体は奄美大島5市町村
  • (2013~2015年は鹿児島県獣医師会と協力)
  • ・1頭あたり雄:5,000円-15,000円、雌:10,000-25,000円の助成

 

奄美大島5市町村飼い猫飼養状況(~R2.12末)

飼い猫登録数
年度 総登録数 新規登録数 前年度比率
2011 2753 - -
2012 2888 169 105%
2013 3078 193 107%
2014 3195 259 104%
2015 3556 434 111%
2016 3923 374 110%
2017 4264 632 109%
2018 4467 299 105%
2019 4304 241 96%
2020 3519 349 82%

 

避妊・去勢の手術率
年度 総手術済数 手術率 前年度比
2011 782 28.4% -
2012 816 28.3% 104%
2013 825 26.8% 101%
2014 1070 33.5% 130%
2015 1347 37.9% 126%
2016 1481 37.8% 110%
2017 1826 42.8% 123%
2018 2191 49.0% 120%
2019 2258 52.5% 103%
2020 2429 69.0% 108%

 

マイクロチップ装着率
年度 総装着数 装着率 前年度比率
2011 187 6.79% -
2012 197 6.82% 105%
2013 216 7.02% 110%
2014 258 8.08% 119%
2015 405 11.39% 157%
2016 536 13.66% 132%
2017 702 16.46% 131%
2018 1163 26.04% 166%
2019 1468 34.11% 126%
2020 1507 42.82% 103%

 

奄美市の死骸回収数
年度 奄美市道 鹿児島県報告奄美市のみ(県道)
2011 不明 不明
2012 不明 不明
2013 不明 80
2014 不明 63
2015 181 44
2016 144 28
2017 121 21
2018 97 5
2019 96 不明
2020 43 不明

 

不妊去勢手術助成金方法
市町村 有無 助成金 補足
奄美市 雄:5,000円
雌:10,000円
H28.4~
龍郷町 雄:5,000円
雌:15,000円
R3.3~
原則R3.3まで、R3.4からは新規登録者のみ助成対象
大和村 雄:15,000円
雌:25,000円
H28.4~
宇検村 雄:10,000円
雌:20,000円
H29.4~
瀬戸内町 雄:5,000円
雌:10,000円
H27.9~

 

マイクロチップ助成金方法
市町村 有無 助成金 補足
奄美市 処置費用全額 H29.12~
龍郷町 処置費用全額 H30.4~
大和村 処置費用全額 H30.4~
宇検村 4,000円 H30.4~
瀬戸内町 チップ購入費は町負担 H30.4~

 

奄美市5市町村野良猫TNR事業実績(~R2.12末)

奄美市の野良猫TNR事業実績
  予定 処置 予算額 決算額
H25 100 103 500,000 500,000
H26 220 246 860,000 860,000
H27 200 150 860,000 860,000
H28 160 138 2,450,000 2,450,000
H29 200 200 2,450,000 2,450,000
鹿児島大単独 240 350 1,200,000 1,200,000
H30 200 222 2,450,000 2,450,000
鹿児島大単独 480 606 2,400,000 2,382,024
H31・R1
(6地区)
  49 5,408,000 5,508,478
鹿児島大単独 360 288 2,400,000  
R2計画
(8地区)
  21 6,799,000  
合計 2,160 2,373 27,777,000 18,660,502

 

瀬戸内町の野良猫TNR事業実績
  予定 処置 予算額 決算額
H25 - - - -
H26 - - - -
H27 100 18 1,439,000 1,419,027
H28 150 204 2,400,000 2,350,732
H29 150 171 2,589,000 2,247,814
鹿児島大単独        
H30 150 170 2,530,000 2,409,982
鹿児島大単独 100 84 893,000 793,876
H31・R1
(4地区)
  64 4,950,000 5,041,677
鹿児島大単独 100 51 974,000  
R2計画
(6地区)
  63 5,738,000  
合計 750 825 21,513,000 14,263,108

 

大和村の野良猫TNR事業実績
  予定 処置 予算額 決算額
H25 - - - -
H26 100 69 270,000 26,600
H27 100 136 420,000 419,000
H28 100 38 2,393,000 1,971,149
H29 120 29 704,000 616,938
鹿児島大単独        
H30 100 8 234,000 136,748
鹿児島大単独        
H31・R1
(3地区)
  40 4,492,000 4,574,846
鹿児島大単独        
R2計画
(4地区)
  60 4,675,000  
合計 520 380 13,188,000 7,745,281

 

宇検村の野良猫TNR実業実績
  予定 処置 予算額 決算額
H25 - - - -
H26 - - - -
H27 - - - -
H28 50 78 600,000 1,010,880
H29 100 77 1,296,000 997,920
鹿児島大単独        
H30 100 30 1,296,000 453,600
鹿児島大単独        
H31・R1
(3地区)
  8 4,033,000 4,108,025
鹿児島大単独        
R2計画
(4地区)
  4 4,675,000  
合計 250 197 11,900,000 6,570,425

 

龍郷町の野良猫TNR実業実績
  予定 処置 予算額 決算額
H25 - - - -
H26 - - - -
H27 - - - -
H28 270 285 6,203,000 5,932,987
H29 480 445 9,489,000 8,111,388
鹿児島大単独        
H30 240 122 8,200,000 7,994,160
鹿児島大単独        
H31・R1
(4地区)
  19 3.117,000 3,174,382
鹿児島大単独        
R2計画
(2地区)
  7 3,613,000  
合計 990 878 30,622,000 25,212,917

 

5市町村合計野良猫TNR事業実績
  処置 予算額 決算額
H25 103 500,000 500,000
H26 315 1,130.000 886,600
H27 304 2,719,000 2,698,027
H28 743 14,046,000 13,715,748
H29 922 16,528,000 14,424,060
鹿児島大単独 350 1,200,000 1,200,000
H30 552 14,710,000 13,444,490
鹿児島大単独 690 3,293,000 3,175,900
H31・R1
(6地区)
180 22,000,000 22,407,408
鹿児島大単独 339 3,374,000 0
R2計画
(8地区)
155 25,500,000 0
合計 4,653 105,000,000 72,452,233

 

実施方法
~H30
  捕獲 手術 モニタリング
奄美市 職員 委託業者 ほとんど実施なし
瀬戸内町 職員 職員 職員・ボランティア
大和村 職員 大島地区獣医師会 ほとんど実施なし
宇検村 職員 大島地区獣医師会 ほとんど実施なし
龍郷町 委託業者 委託業者 委託業者

 

R1~
  捕獲 手術 モニタリング
奄美市 委託業者・職員(単独分) 委託業者・鹿児島大学 委託業者
瀬戸内町 委託業者・職員(単独分) 委託業者・職員(単独分) 委託業者・ボランティア
大和村 委託業者 委託業者 委託業者
宇検村 委託業者 委託業者 委託者
龍郷町 委託業者 委託業者 委託業者

 

モニタリング実施割合及び地区における避妊去勢率等

全地区118
  モニタリング実施割合
ノラネコの避妊去勢及び総数と外飼い猫を含む数
市町村 地区数 調査数 調査率 避妊 避妊去勢率 不避妊 外猫
奄美 50 17 34.0% 249 90.5% 26 275 43 318
大和 11 11 100.0% 204 95.8% 9 213 14 227
宇検 14 14 100.0% 80 96.4% 3 83 31 114
瀬戸内 25 10 40.0% 218 95.6% 10 228 26 254
龍郷 18 6 33.3% 176 90.3% 19 195 30 225
118 58 49.2% 927 93.3% 67 994 144 1138

 

・モニタリング実施地区におけるノラネコの避妊去勢達成率

  奄美 大和 宇検 瀬戸内 龍郷 全体 地区数
100% 5 7 12 4 2 30 52% 56 96.6%
90~99% 7 2 1 4 2 16 28%
70~89% 4 2 0 2 2 10 17%
~69% 1 0 1 0 0 2 3% 2 3.4%
合計 17 11 14 10 6 58   58  

 

A地区40
  モニタリング実施割合
ノラネコの避妊去勢及び総数と外飼い猫を含む数
市町村 地区数 調査数 調査率 避妊 避妊去勢率 不避妊 外猫
奄美 16 11 68.8% 205 91.1% 20 225 34 259
大和 4 4 100.0% 144 96.0% 6 150 7 157
宇検 6 6 100.0% 49 94.2% 3 52 8 60
瀬戸内 8 2 25.0% 65 95.6% 3 68 1 69
龍郷 6 2 33.3% 69 95.8% 3 72 6 78
40 25 62.5% 532 93.8% 35 567 56 623

 

・モニタリング実施地区におけるノラネコの避妊去勢達成率

  奄美 大和 宇検 瀬戸内 龍郷 全体 地区数
100% 1 2 4 0 1 8 32% 23 92.0%
90~99% 6 1 1 1 0 9 36%
70~89% 3 1 0 1 1 6 24%
~69% 1 0 1 0 0 2 8% 2 8.0%
合計 11 4 6 2 2 25      

 

B地区28
  モニタリング実施割合
ノラネコの避妊去勢及び総数と外飼い猫を含む数
市町村 地区数 調査数 調査率 避妊 避妊去勢率 不避妊 外猫
奄美 5 3 60.0% 27 81.8% 6 33 6 39
大和 4 4 100.0% 38 95.0% 2 40 4 44
宇検 8 8 100.0% 31 100.0% 0 31 23 54
瀬戸内 4 3 75.0% 90 93.8% 6 96 6 102
龍郷 7 4 57.1% 107 87.0% 16 123 24 147
28 22 78.6% 293 90.7% 30 323 63 386

 

・モニタリング実施地区におけるノラネコの避妊去勢達成率

  奄美 大和 宇検 瀬戸内 龍郷 全体 地区数
100% 1 3 8 0 1 13 59% 22 100.0%
90~99% 1 0 0 2 2 5 23%
70~89% 1 1 0 1 1 4 18%
~69% 0 0 0 0 0 0 0% 0 0.0%
合計 3 4 8 3 4 22      

 

C地区50
  モニタリング実施割合
ノラネコの避妊去勢及び総数と外飼い猫を含む数
市町村 地区数 調査数 調査率 避妊 避妊去勢率 不避妊 外猫
奄美 29 3 10.3% 17 100.0% 0 17 3 20
大和 3 3 100.0% 22 95.7% 1 23 3 26
宇検                  
瀬戸内 13 5 38.5% 63 98.4% 1 64 19 83
龍郷 5 0 0.0% 0 0 0 0 0 0
50 11 22.0% 102 98.1% 2 104 25 129

 

・モニタリング実施地区におけるノラネコの避妊去勢達成率

  奄美 大和 宇検 瀬戸内 龍郷 全体 地区数
100% 3 2   4 0 9 82% 22 100.0%
90~99% 0 1   1 0 2 18%
70~89% 0 0   0 0 0 0%
~69% 0 0   0 0 0 0% 0 0.0%
合計 3 3   5 0 11      

 

質問タイム

感想

  • 死骸回収は、奄美市以外もわかるといい

 

質問

Q 野良猫の数はどれくらい?1,000くらい?
A モニタリングでの数値はあるが、調査率は49.2%なので実際はもっといる

 

私の感想

ここらへんは押していて駆け足になっていたのであまり質問などなかった記憶です。

奄美のノネコ管理計画は、今ご覧になっているようにとれる数値は残しておこう!としっかりと計画されているものなんですね。

だからモニタリングにも力を入れていて、さらに住民参加型のモニタリングも実施することで猫への意識を高めようともしています。

山で捕獲することばかり注目されますが、発生源対策や住民の意識の底上げもノネコ管理計画の一環だともっと知ってほしいものです。

 

⑤今後のノネコ捕獲事業方針について

資料の説明

新たな捕獲作業地域の設定と捕獲作業の拡大方針

(1)新たな捕獲作業地域の設定
  • 奄美大島を国道、県道、長距離林道、交差点、河川などで区切り複数の道路が含まれるように新たな捕獲作業地域(21分割)を提案
  • 捕獲作業地域面積は1つ当たり30~50㎢程度になるよう設定
  • 地域内の道路総距離は15~67km

 

(2)作業地域の拡大方針
○2021、2022年度捕獲作業地域候補
  • 参考:ロードマップ
  • 2021~2022年度は予算や人員など、体制の確保にあわせ段階的に捕獲地域拡大を目指す
  • 2023年度には奄美大島全域での捕獲を実施
  • 捕獲作業地域候補として13地域を選定
  • 候補地の総面積は455㎢、奄美大島全体(約712㎢)の約64%
  • 実際は作業体制の確保状況を見て展開

 

○2021年度捕獲作業地域候補
  • 2021年度の作業地域候補として9地域を選定
  • 作業地域全体の面積は337㎢、奄美大島全体(712㎢)の約4.7割
  • 新規作業地域候補は来年度までにほとんどの集落でTNR事業が実施予定
  • 今後も集落からの発生源対策事業と情報共有を密に行い連携する
  • 体制の確保状況に合わせ、随時作業を展開していく予定

 

次年度以降の捕獲作業方針について

(1)重点捕獲地域と低密度維持地域におけるノネコ生息状況について
  • 作業地域ごとにノネコの捕獲状況と撮影状況をみながら重点捕獲地域と低密度状態を維持することを目標に作業する低密度維持地域を判断する
  • それぞれの地域で捕獲作業の内容を変えて実施している

 

○重点捕獲地域から低密度維持地域の判断
  • 総捕獲努力量と総捕獲数の関係が頭打ちの状況が半年以上続くことで判断
  • あわせてノネコの撮影率、識別個体数の変化で状況を把握

 

○低密度維持地域における低密度維持状況の評価
  • ノネコの撮影率及び識別個体数を用いて低密度状態が維持されているか判断
  • 段々減っている、上昇していないかなどみて判断

 

質問タイム

質問

Q 猫がみれなくなったところの捕獲圧を下げるのはもう少し議論が必要
A 今後その部分を委員の方々からも意見よろしくおねがいします

 

私の感想

捕獲地域が広がるのは知っていたのですが、突然いっきに広げるのではないことに安堵しました。

そりゃそうですよね……!突然広げるには人員がまず足りないでしょうし。

いまですら8人だけでまわしている状況なので、人員など確保できないと捕獲地域拡大は中々難しい話です。

また、低密度を保つという話もあり「確かに猫は里からも供給されちゃうものなあ」と思いました。

マングースなら供給されないですからある程度終わりが見えるものなのかなとも思いますが、猫はそうもいきません。

島全体で家の中で飼う、を徹底できるようになればいいのですけどね。

まだすべての島民が適正飼養できている状態にはないので、ある人にとっては無駄に思えるような低密度地域での罠も実は納得できる理由があること、こちらも広まると良いなと思います。

 

全体を通して

  • 減っても新しく入ってくるので、エリアごとの根絶は難しい、だからこそ少ない状態を保つのが大切
  • 8人でやるのは大変で、不十分だから予算をよろしくお願いします(環境省へ)
  • 発生源、山に行く個体をどうするか
  • 今まで狭いエリアでおこなってきたが、色々分かってきている
  • 高い捕獲圧で減らせるか、努力量を今後下げるなどして検討していこう(?というようなことを言っていた)
  • 奄美は巨大な島で、ノネコは家庭の猫が出発地点、島全体で猫管理をし、家庭が発生源である意識を持つ
  • 捕獲数が少ないのが目につくが、他にひろがると沢山の猫が捕まることが予想されるので効率化を測るところはつけて、メリハリのある感じでいきましょう
  • 地域ぐるみで発生源対策

 

シロ
お疲れ様でした!

 

まとめ

お疲れ様です!

文字数が25,000文字をこえているので、全部読める人はわずかだと思いますが、要所要所は疑問を解決するのに使えるかと思いますのでお役立てください。

パソコンではギリ読めるけどスマホだとつらいかも。

パソコンでは表示を試験的に1カラムにしていますが、読みづらければおっしゃってください。なおすかはわからんけど。

じゃあな!

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